予防接種を受ける前に「この子、カゼをひいて薬を飲んでいるのですが、予防接種を受けられますか?」と質問されることが、よくあります。
- 薬を飲んでいる時は予防接種はうけられない
- 体調が完全に良い時でないと予防接種はNG
と考えている保護者もいます。
しかし、多少、咳や鼻水があっても、カゼの薬を飲んでいても、予防接種を受けることはできます。
ワクチンは何のために?
ワクチンは病気から体を守るために接種します。
ワクチン接種ができる月齢・年齢になったら、できるだけ早めに予防接種を済ませておくとよいでしょう。
多少のカゼ症状があっても、薬を飲んでいても、大抵は接種できます
特に保育園・幼稚園に通いだすと1年中、カゼの症状があったり、熱が頻繁にでることがあります。
とはいえ、鼻水や咳が少々あったり、カゼ薬を飲んでいてもワクチン接種は問題なくできます。
同時接種も取り入れると良いでしょう
同時接種では一度に数種類のワクチンを接種します。
近年は打たなければいけないワクチンの数が増えています。
全てのワクチンを体調が良い時期を狙って個別に受けるのは現実的でなくなっています。
急な発熱や体調不良でワクチン接種のタイミングを逃さないために、同時接種は有効でしょう。
ワクチン接種を見送る基準を教えてください
予防接種を見送る、大まかな基準として
- 発熱している(37.5〜38℃以上)
- すごく体調が悪い
は基本的に無理して接種はしません。
ステロイド・免疫抑制薬内服中は接種できないことがあります
特定の薬、例えば
- 免疫抑制薬
- ステロイド
を内服している場合も、原因となっている疾患、薬の量や種類によって見送ることがあります。
これは、ステロイドや免疫抑制薬を飲んでいると、体の免疫細胞が正常に働いてくれないためです。
接種すべきか否かは、受けるワクチンの種類や、ステロイドや免疫抑制薬を使用するきっかけとなった病気により基準が異なりますので、定期的に通院されている医師とよく相談しましょう。
免疫グロブリン後は、ワクチン接種を遅らせます
川崎病や特発性血小板減少症で免疫グロブリンの治療を受けているお子さんもいます。
この場合、不活化ワクチン(およそ2ヶ月)も生ワクチン(6ヶ月)も、決められた期間遅らせることがあります。
延期する期間は主治医によって異なりますので、ご相談されると良いでしょう。
まとめ
特定の薬(ステロイド、免疫抑制薬、免疫グロブリンなど)を使用していない限り、薬を内服していてもワクチン接種を行えることがほとんどです。
発熱時や体調が非常に悪い時をのぞいて、多少の咳や鼻水があってもワクチン接種はできます。