赤ちゃんの耳に関する相談を受けることが時々あります。
主な相談として;
- 耳の横に小さな穴があります
- 耳の横に小さなでっぱりがあります
- 耳の形が変です
といったご相談が多いです。
今回はそれぞれのご相談にお答えしてみようと思います。
耳瘻孔(じろうこう)について
耳の前側付近にある小さな穴のことを「耳瘻孔(じろうこう)」といいます。
この小さな穴(耳瘻孔)の奥は、実は袋状になっていることがあり、汗や汚れが溜まりやすくなっています。ですので、普段は清潔にすることを心がけましょう。
耳に水が入るのを怖がらずに、やさしく、しっかりと洗いましょう。
耳瘻孔が感染してしまうことがあります
耳瘻孔が感染してしまうことがあります。
この場合、穴の周囲が赤く腫れてしまったり、悪臭のする膿が出てくることがあります。
このような時は小児科や耳鼻科に相談しましょう。
抗菌薬入りの塗り薬などを使用して治療します。
手術は必要ですか?
耳瘻孔に何度も感染してしまう場合は、手術を行うことがあります。
手術で瘻孔の奥にある袋を取り出す処置をします。
副耳(ふくじ)について
副耳(ふくじ)は耳の前にある小さなでっぱりをいいます。
およそ1000人に1人くらいに副耳があるといわれています。
でっぱりの根元が細く、プラプラと不安定になっている場合は糸を縛って、血流を遮断してしまい、取り除くことも可能です。
しかし、副耳の根元のところに小さな軟骨があるケースが多いので、最近は行われなくなってきています。
綺麗に取り除くことを希望されることが多いので、専門医(形成外科など)に手術を依頼するケースが多いでしょう。
副耳は大きくなりますか?
副耳は大きくなることはほとんどないので、手術などで除去するのは急がなくてよいと思います。
手術は早くても生後3ヶ月以降に行われることが多いでしょう。あとはご家族と手術される先生との話し合いで時期を決めることがほとんどです。
折れ耳について
『赤ちゃんの耳が折れてしまいます』とご相談されることがあります。
生後すぐの赤ちゃんの耳の上部が前方に折れ曲がって変形してしまっていることがあります。
このことを「折れ耳」と呼んでいます。
折れ耳になる原因
折れ耳は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時、耳が子宮の壁に押し付けてしまう場合があります。
このため、産まれた時に耳が曲がっていることがあります。
折れ耳は自然に治ることがほとんどです
折れ耳は、早ければ生後1週間以内に警戒することが多いです。
特別な処置はせずに様子をみて、自然な形に戻るのを待つことがほとんどでしょう。
折れ耳が治らなかったり、その程度がひどい場合、将来的にマスクやメガネがかけにくくなることがあります。
しばらく様子をみても治らない場合は、形成外科や耳鼻科などに紹介して治療や対処法を検討してもらっています。
聴力は大丈夫でしょうか?
耳瘻孔・副耳・折れ耳があると、聴力を気にされる方もいます。
ほとんどのケースで聴力には影響がありませんので、過度に心配しなくてよいでしょう。
気になる場合は、耳鼻科などで一緒に聴力検査をしてもらうと良いでしょう。