赤ちゃんのスキンケアについて、たくさん質問をされることがあります。例えば、
- 赤ちゃんは汗をよくかくのに、なぜ乾燥するのですか?
- どのように洗ったらよいですか?
- 保湿などスキンケアはどうしたらよいですか?
などです。
今回は赤ちゃんのスキンケアの基本事項を解説していこうと思います。
赤ちゃんの皮膚の特徴
- 赤ちゃんの皮膚は繊細(デリケート)ですよ
- 乾燥に注意しましょうね
などお聞きしたことがあるかもしれません。
皮膚がデリケートな理由
赤ちゃんの皮膚が大人より弱い理由はいくつかありますが、1つはそもそも皮膚が薄いのです。
赤ちゃんの皮膚は、およそ大人の半分の厚さです。
皮膚は環境からの汚れや異物から守るバリア機能としての役割があります。
このバリア機能が未熟なため、刺激に弱いといえます。
赤ちゃんの肌が乾燥しやすい理由
赤ちゃんは汗をよくかきます。
このため「乾燥しやすいですよ」というと驚かれる方も多いです。
確かに汗はよくかきますし、生後数ヶ月は皮脂の分泌量が多いですが、皮膚が薄く保湿成分が少ないため、乾燥しやすいのです。
皮膚のバリアが弱くなると…
皮膚が乾燥したり、汚れが残り、皮膚のバリアが弱くなると、汗や便、細菌、紫外線などで皮膚トラブルを起こしやすくなります。
このため、毎日のスキンケアが、皮膚の清潔と健康のために非常に重要です。
赤ちゃんの肌を洗う
「どうやって赤ちゃんの肌を洗ったらいいですか?」など質問されることがあります。
いくつかポイントがありますが、
- しっかりと泡立てる
- くびれ・肌のシワもよく洗う
- すすぎは念入りに
の3点でしょう。
しっかりと泡立てて
石鹸でもボディーソープでもどちらでも良いですが、低刺激タイプのものがよいでしょう。
時々「天然成分配合」を謳い文句にしている商品もありますが、逆に皮膚に刺激となることがあるので避けた方がよいことがあります。
よく泡立てて、指の腹でやさしく洗ってあげるとよいでしょう。
赤ちゃんの皮膚を傷つけないよう、爪は短く切っておきましょう。
くびれや皮膚のシワをしっかり洗う
汚れが溜まりやすいのは、
- 首
- 耳の後ろ
- 髪の生え際
- 脇、肘、手首、股
などが代表的です。
皮膚のシワを伸ばしながら、丁寧に洗いましょう。
顔を洗うときは、石鹸やボディーソープが目に入らないように気をつけましょう。
赤ちゃんは顔が濡れるのを嫌がる傾向にあるので、すすぎ終わったら乾いたタオルなどで拭いてあげるとよいでしょう。
すすぎは念入りにするとよいでしょう
ボディーソープが肌に残っていると、皮膚には刺激があるため、皮膚トラブルの原因となります。
皮膚のシワの奥までしっかりとすすいであげましょう。
手に泡が残っていると、舐めたり、目をこすったりするので、早めにすすいであげるのもポイントです。
保湿について
保湿は特に回数制限はなく、皮膚のカサカサが気になるときは、こまめに保湿してあげましょう。
特に、入浴後はなるべく早めに、全身を保湿してあげるとよいと思います。
皮膚に多少、ベタベタ感が残るくらいがちょいどよいと思います。
皮膚の保湿については、こちらでも詳しく書いています。
紫外線について
適度な日光浴は赤ちゃんの骨の成長に必要です。
特に、近年、赤ちゃん(乳児)のビタミンD不足が問題視されています。
とはいえ、強い紫外線は皮膚にとっては避けたい刺激ですので、
- 肌の露出が少ない服を着せる
- 夏の10〜14時の外出は避ける
- ベビーカーの日よけを使う
- 日陰で遊ばせる
- 帽子はつばの広いものを使う
などの工夫をされるとよいでしょう。
まとめ
今回は赤ちゃん(乳児)のスキンケアについて説明してきました。
ご家庭ごとにアレンジされても全然よいと思いますが、基本は押さえておくとよいと思います。
・CURRENT Diagnosis and Treatment Pediatrics, Twenty-Fourth Edition
・Nelson Textbook of Pediatrics, 2-Volume Set
・Nelson Essentials of Pediatrics, 8e
・Medical Note presents
・小児科学, 10e
・小児の薬の選び方・使い方
・HAPPY!こどものみかた
・子どもの風邪
・小児科診療ガイドライン
・今日の治療薬