- 子供はいつごろ再受診したらよいですか?
- 熱は何日くらい続いたら再度受診したらよいですか?
といった再受診に関する質問をされることもあります。
日本のクリニックは、ほとんどがフリーアクセスですので、理論上はいつ再受診してもらっても構いません。
ですが、混み合う小児科外来に連日再受診するのは大変ですし、特に共働きのご両親の場合は、できるだけ合理的な再受診をしたいと考えているのでしょう。
あくまでも目安になりますが、こども(主に1〜2歳以上)が発熱して受診したら「いつ再受診をしたらよいか」を解説していこうと思います。
小児の発熱の再受診のタイミングについて
目安として3〜5日
- 『どのくらい熱が続いたら再受診したらよいですか?』
と質問されることが多いです。お子さんの状態によって再受診のタイミングは異なるため、完璧な回答はありませんが、『3〜5日ほど熱が続くようなら、再度、受診をしてください』とお答えすることが多いです。
1歳未満の乳児に関しては、再受診の間隔はもう少し短めにお伝えすることもあります。
なぜ小児の発熱の再受診のタイミングが3〜5日か?
多くの小児科医は3〜5日ほど熱が続けば再受診を指示することが多いのです。
この期間の理由を考えてみましたが、小児のかぜの自然経過が参考になると思います。
小児のかぜのほとんどがウイルス性疾患で、自然に軽快することがほとんどです。
ウイルス感染症の発熱に関していうと、長くても3〜5日以内に解熱することが多いです。
この期間より長く発熱が続く場合、かぜの自然経過と少し矛盾する可能性があるの(つまり、何か別の理由の可能性がある)『3〜5日以上、熱が続く場合は再度受診してください』ということが多いのでしょう。
熱が5日以上続くと、注意が必要な理由
『発熱が5日以上も続くようでしたら、必ず再受診してください』
と言う小児科医が多いと思います。保護者のなかには、「なんで5日なんだろう?」と疑問に感じている方がいるかもしれません。
5日間より長く続く発熱の原因として『川崎病』が有名です。
川崎病は原因不明の全身性の血管炎ですが、最初はかぜと見分けがつかないことが多いです。川崎病になると
- 5日以上続く発熱
- 眼や口の充血
- 発疹
- 手掌・足底が赤く腫れる
といった症状が出てきます。長引く発熱を診た場合、小児科医は必ず川崎病を心配しています。
その他:小児に発熱の再受診の目安について
発熱期間はあくまで再受診の目安の1つです。
その他にも、再受診をしたほうがよい例はいくつかあり:
- 呼吸が苦しそう
- 夜に全く眠れない
- 体を痛がる(お腹、関節など)
- 水分がとれない
- ぐったりしている
など、保護者の方々から診て心配になるような時は、再受診されてもかまわないです。
小児の発熱の再受診でよくするアドバイス
初診だけで全ての疾患がわかるわけではありませんよ
- 発熱5日目に総合病院に受診したら川崎病だった
- 熱が長いのでレントゲンを撮影したら肺炎だった
など、「なぜ最初のクリニックでは診断できなかったのでしょうか?」と質問されることがあります。
確かに病気がスルーされているケースもありますが、多くの場合は「時間をかけて経過をみて、初めて分かる疾患」であることが多いです。
小児科医を含め、医師が初診の第一印象で重症疾患を除外しきれないこともありますし、発熱の原因は経過をみなければ判断できないことが多いです。
発熱で受診したけれど、解熱剤以外なにも処方してもらえませんでした
「数日前に発熱して〇〇クリニックに受診したのですが、熱冷ましの薬以外、なにも処方してもらえませんでした」
とおっしゃる保護者の方々もいます。小児科医による説明が不十分であった可能性もありますが、診療自体は大きな間違いはないと思います。
例えば、多くの小児のかぜ薬には有効性が確認されていないのです。
有効性がないばかりか、重篤な副作用が報告されている薬すらあります。
このため、
- 不要な薬物投与を避ける
- 不要な検査を避ける
をしながら、しっかりと経過をみることも重要と考えています。
- 『かぜをひいたようで、早めに受診して治そうと思いました』
と受診される方も多いですし、親心として1日も早くこどもが回復して欲しいと願う気持ちはよくわかります。ですが、現状の医療では、かぜを早く治す方法は限られており、本来は不必要な薬を使用することで、かえって症状が長引いてしまうこともあります。
まとめ:小児の発熱の再受診
小児が発熱した場合の再受診ですが、およそ3〜5日ほど熱が続く場合は再受診をしたほうがよいでしょう。
かぜなどウイルス性疾患で熱が5日以上続くことはありますが、別の原因(川崎病など)が潜んでいる場合があります。
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