小児の場合、ちょっとしたウイルス性疾患(かぜや手足口病など)で発疹が出てしまうことがありますし、水痘(みずぼうそう)など発疹を起こしやすいウイルスの場合もあります。
今回は、
- 発疹があるときの入浴
- かゆみの対応
- ご飯を食べたがらない時の対応
について説明していければと思います。
お風呂に入ってよいですか?
結論から言うとケースバイケースですが、皮膚のかゆみがひどくなければ、入浴自体は問題ないと考えています。
体が温まりすぎると、血流がよくなって、かゆみが誘発されることがあるので、ぬるま湯にするか、シャワーだけで短めに済ませてもよいでしょう。
入浴後は、体のほてりを冷ましてから服を着せましょう。
乳幼児はよだれ、ミルク、離乳食、ほこり、汗などが刺激となり発疹や汗疹がでてしまうことがあります。
皮膚は清潔と保湿を保つことが非常に重要です。
皮膚の清潔を保つという観点からも、入浴やシャワーはお勧めしています。
かゆがっていますが、どうしたらよいですか?
爪を短く切る
かゆい場所があると、爪を立てて強くひっかいてしまうため、傷ができたりします。
また、傷や荒れた皮膚から細菌が感染してしまうこともあります。
爪をあらかじめ切っておくと良いでしょう。
蕁麻疹(じんましん)の時は内服薬も有効
蕁麻疹については、こちらで2回に分けて詳しく説明しています。
蕁麻疹によるかゆみの場合、全身に発疹が出たり消えたりすることが多いです。
このため、薬を塗るよりも、内服で全身に効かせてしまったほうが効率的なことが多いです。
内服薬は抗ヒスタミン薬が処方されることが多いと思います。
近年、第一世代の抗ヒスタミン薬(ペリアクチン、ポララミン、アタラックス)は小児に使用されない傾向にあります。
理由として、
- 脳に作用して眠気がでる
- けいれんを起こしやすくする
- けいれんの持続時間が長くなる
など、様々な副作用が報告されているためです、
新しい抗ヒスタミン薬は、これらの副作用が出にくくなるように改善されています。
冷やすとかゆみが和らぐことも
かゆい場所は冷やしてあげるとかゆみが和らぐことがあります。
冷やす際には、氷をタオルでくるんだりして使用すると良いでしょう。
ただし、冷やしすぎには注意が必要です。
どのようなときにステロイド軟膏を使いますか?
こちらも皮膚の発疹の原因にもよりますが、虫刺されやアトピー性皮膚炎の発疹でかゆみがひどいときに、ステロイド軟膏を使うことがあります。
ステロイド軟膏は炎症を抑える作用があるため、皮膚の炎症が改善し、結果としてかゆみが軽快します。
ステロイド軟膏に関する疑問は、こちらでお答えしています。
口腔内に発疹があって食べたがりません
口の中の発疹というと、
- 手足口病
- ヘルパンギーナ
が有名です。詳しくはこちらに記載されています↓↓
口の中にも発疹ができるのですが、痛みで食事や水分が取れなくなることがあります。あまりにひどいと入院が必要になってしまうケースもあります。
対処法
対処法としては、
- 冷たいものを与える
- 経口補水液など塩分・糖分が含まれたものを与える
- 痛み止めを使用する
がよいと思います。
冷たいものを与えると、口の中の感覚が一時的に軽快します。このため、痛みが少なくなり、飲み込みやすくなることがあります。
また、口の中が痛い時は痛み止め(解熱鎮痛薬)を使用されてもよいでしょう。
お薬を使用して30分くらいすると、痛み止めの効果が出てきて、痛みが軽快するため食事・水分が取りやすくなることがあります。
まとめ
今回は発疹があるときのホームケアについて簡単に説明してきました。
入浴、かゆみ、痛みは日常生活にとって重要ですので、簡単に対処法を知っておくとよいと思います。
・CURRENT Diagnosis and Treatment Pediatrics, Twenty-Fourth Edition
・Nelson Textbook of Pediatrics, 2-Volume Set
・Nelson Essentials of Pediatrics, 8e
・Medical Note presents
・小児科学, 10e
・小児の薬の選び方・使い方
・HAPPY!こどものみかた
・子どもの風邪
・小児科診療ガイドライン
・今日の治療薬