- 生まれてから1歳までの目安を教えてください
- 最初の1年(1歳まで)ってどんな感じですか?
など、最初の1年間はわからないことだらけなので、外来で様々な質問をうけます。
今回は、0〜1歳までのおおまかな成長・発達の目安について解説していきます。
生後1年は劇的な成長・発達の時期
赤ちゃんは生後1年で劇的な成長・発達をする 子供は日々成長していきますが、最も劇的な成長をするのが最初の1年です。
体格もしっかりしてきますし、運動機能、認知機能、意思疎通、社会とのかかわりなど、最初の1年で大きく成長します。
数字からみる赤ちゃんの成長
赤ちゃんが最初の1年でどのくらい成長(身長や体重の増加)するのか、具体的な数字からみていきましょう。
赤ちゃんは生後1年で:
- 体重は3倍になる(3kg→9kg)
- 身長は1.5倍になる(50cm→75cm)
- 脳のシナプスは 50兆から1,000兆になる
と成長します。
これほどまで劇的に成長・発達する時期は、生涯を通しても最初の1年のみです。
生後1年は本当に重要な時期です
この時期の脳の発達に関する研究がいくつか行われ『新生児・乳児期のポジティブな経験は脳の発達に重要である』と分かっています。
特に、保護者と子供の関係性が、その後の脳の発達、感情の発達、学習能力などに大きく影響するのです。
逆に、この最初の1年に、アルコール、鉛、違法ドラッグなど有害物質に子供が曝されてしまうと、脳の発達を大きく妨げてしまうことがわかっています。
粗大運動の発達について
「粗大運動」とは、手足をバタバタさせたり、寝返りをしたり、といった大雑把な運動のことをいいます。
この「粗大運動」に関わる力、強さ、協調性などが、最初の1年で発達します。
粗大運動の発達の順番
粗大運動の発達の順番も決まっていて、「頭→体幹→足先」の順です。
乳児の発達をみていると:
- 首がすわる
- 寝返りをする
- 座る
- ハイハイをする
- つかまり立ちをする
- つたい歩きをする
- 歩く
という順です。
これらをみると「頭→体幹→足」の順に発達しているのに気づくでしょう。
この時期に気をつけるのは;
- 月齢相当の運動機能があるか?
- 運動に左右差がないか?
という点を特に注意しています。
寝返りができるようになったら、腹ばいの時間を取り入れて
6ヶ月前後で寝返りができるようになると思います。
この頃から、保護者が監視している状況下であれば、腹ばいの時間を取り入れるとよいでしょう。
「うつぶせ寝をやめて、仰向けに寝かせることで乳児突然死症候群(SIDS)を予防する」と報告されてから、仰向け寝が推奨されています。
確かに乳児のうつぶせ寝はSIDSのリスクを上昇させるため、一般的には危険と考えられています。
しかし、ずっと仰向け寝をしていると、運動発達が遅れる可能性が指摘されています。
保護者が監視できる状況で、寝返りができるのであれば、腹ばいの時間を取り入れて、運動発達を促すとよいでしょう。
1回15分など、時間を決めて腹ばいの時間を作ってあげてもよいでしょう。
微細運動の発達について
微細運動とは、手先を使用したりする細かい運動のことをいいます。
最初は手を握る動作に始まり、徐々に握ったり・離したりが自由にできるようになります。
その後、両手で触って遊んだり、左手から右手へ持ちかえたりできるようになります。
さらに、指先でものをつまんだり、クレヨンなどの細かいものを手に持ったりするようになります。
この時期は、おもちゃを使って微細運動の発達を促してあげるとよいでしょう。
参考文献
1. Bright Future Guideline; Promoting Childre Development; p42-43.