生後9〜10ヶ月の運動発達
「はいはい」「つかまり立ち」が始まるでしょう。
徐々に上手になり、スピードも早くなっていきます。
10ヶ月での目安
10ヶ月での発達の目安を列挙すると;
- 這い這いとつかまり立ちをする
- 親指と他の指で小さなものをつかむ
- 呼びかけるような声を出す
- 床におもちゃを落とすと探す
- 後追いをする
- 人見知りをする
- 「イナイ、イナイ、バア」を喜ぶ
あたりが目安になるでしょう。全てを達成する必要はありません。
高ばいやつかまり立ち
中には、腰を上げて膝を浮かせ、足を床につけた『高ばい』をする子もいます。
椅子やテーブルをつかみ、つかまり立ちも始まります。
最初のつま先立ちはとても不安定ですが、徐々に足の裏全体を床につけて体重を支えるようになります。
外傷に気をつけましょう
この時期に多いのは、頭部や顔面の外傷・裂創です。
最初はよく転んだりひっくり返るので、あらかじめテーブルやテレビ台の角はガードしておきましょう。
行動範囲が広がって事故のリスクが高くなりますので、保護者の注意と監視が必要です。
好奇心旺盛な時期ですので、打撲、転倒、溺水、火傷といった事故が多いです。
手の届く範囲には、危険がないようにしましょう。
また、事故が予測される条件を、できるかぎり排除することが重要です。
「はいはい」「つかまり立ち」「伝い歩き」は個人差があります
なかなか「はいはい」や「つかまり立ち」をしない子もいます。
「はいはい」をしないで、「おすわり」からいきなり「つかまり立ち」をする子もいます。
順番は人それぞれです
順番も人それぞれですので、心配いらないことがほとんどです。
個人差が大きく出るので、あせらずに気長に待ってあげましょう。
特に「はいはい」の個人差は大きいので、あまり気にしすぎないで良いでしょう。
一方で、つかまり立ちは10ヶ月くらいで、できるようになることが多いです。
「後追い」も始まりますよ
はいはいでの後追いも始まります。
お母さんの姿が見えないと泣き出したり、ハイハイで探し回ったりします。
ママの後を追ってトイレや洗面所まで、ついてくることもあるのでしょう。
家の中では声がけをしたり、唄を歌ったりしてあげるとよいでしょう。
お母さんがそばにいることが分かって、赤ちゃんも安心すると思います。
何でも口にいれます、誤飲に気をつけましょう
気になる物をみつけると、自分の口で確かめようとします。
いろんなものに手を出して、口の中に物を入れようとします。
家庭内には、洗剤、化粧品、タバコなど、危険なものが溢れています。
また、この時期の乳児は「親の怒り・叱り」をうまく理解できません。
もちろん、言葉も理解できない時期です。
赤ちゃんが何か口に入れてしまって、その行為に対して怒っても、叱っても赤ちゃんは十分に理解はできません。
怒りの矛先を赤ちゃんに向けるのではなく、危険なもの・口に入れそうなものは、赤ちゃんの手が届かないところへ収納して、危険がないように配慮しましょう。
具体的には、500円玉より小さいものは、基本的に飲み込む可能性があると考え、赤ちゃんの手の届かないところへ置きましょう(1m以上の高さのあるテーブルなどの上)。
手先の運動も発達します
「握る」「つまむ」と徐々に手先が器用になります。
次第に両手をコントロールできるようになり、積み木で遊んだりします。
集中力もついてきて、短時間であれば、1人で遊ぶようになります。
夢中になって、同じことを何回も繰り返すこともあるでしょう。
ティッシュの箱から紙がなくなるまで引き出すのも、よく保護者の方から聞きます。
発達の注意点
- 9ヶ月で座って遊べない
- 10ヶ月でつかまり立ちができない
場合は注意が必要です。
この時期は利き手は基本的にはっきりとしないため、片方の手しか使いたがらないのも異常です。
これらに該当する場合は、お早めに小児神経の専門医に受診されるとよいでしょう。
育児のポイント
運動機能が徐々に発達し、自分の意志で移動できるようになるため、行動範囲も広がります。
また、好奇心も高まり、探索活動が活発になるでしょう。
大人の意志も徐々に理解できるようになり、日常生活では母親との関わりを楽しんだり、母親の行動に注目するようになります。
危ないことがない範囲であれば、児の探索活動を規制することなく、見守ってあげましょう。 ボールや積み木を使って、一緒に遊んであげてもよいでしょう。
一緒に遊ぶことで、児の自立性や模倣運動の発達が促されます。
離乳食について
生後5〜6ヶ月から離乳食を開始して、9ヶ月になると徐々に色んなものを食べるようになってくると思います。
ですが、離乳食は焦らずに進めていきましょう。
離乳食はまだ軟らかいものを
離乳食も徐々に進んできてると思います。
ですが、まだ歯茎でつぶしながら食べる時期なので、硬すぎないものを与えましょう。
生後6ヶ月を過ぎると前歯が生えてくると思います。
しかし、歯で咀嚼をして食べるのは、もっと後になります。
まだ丸飲みしている子も多いと思うので、安全性を第一にして離乳食を与えましょう。
食べ物は薄味で
薄味の食べ物にしましょう。
塩気の多いものや、甘いものを一度覚えてしまうと、なかなか後戻りできません。
中にはこの時期から大人並みの味付けを食べさせている方がいますが、塩分や糖分過多となるので薄味にしましょう。
油断せず、焦らず、ゆっくりと離乳食を進めてください。
食事の間隔について
離乳食が1日3回に進んだら、食事の間隔を4時間は空けましょう。
徐々に大人と同じ食事時間に近づけていきます。
しかし、大人のペースに合わせすぎて、3回目の食事(夕食)を遅くすると、夜間に胃腸への負担が大きくなります。
また、寝る時間も遅くなってしまいます。
ですので、遅くとも夜7時には食べ始めると良いでしょう。
自分の手でも食べさせましょう
離乳食が進んでくると「自分で食べたい」という気持ちが強くなります。
手で掴んで食べられるものをあげましょう。
例えば、野菜の煮物、スティック状のパン、小さなおにぎり、などがよいでしょう。
スプーン・フォーク・箸などは、まだ自分で上手に扱えない時期です。
食べムラはあって当たり前
この時期は食事の量にもかなりムラがあります。
食器で遊んだり、こぼしたり、食事中に他のことに興味を示して遊びだすことも多いでしょう。
食事が進まず、途中で遊んでしまい、いらっとされる保護者の方も多いかもしれません。
ですが、これは正常な発達過程ですので「そういうもの」として受け入れましょう。
時には、みそ汁をこぼして、衣類を汚すこともあるでしょう。
理不尽なようですが、子供は悪くありませんし、悪気もありません。
汚されて怒るより、汚さないようにしっかりと準備をする、汚れても大丈夫なように準備することのほうが、遥かに建設的です。
パパ・ママが怒りすぎると、食事はつまらないもの、怖いものと思い込んでしまいますので気をつけましょう。
好き嫌いは決めつけないで
この頃は、好き嫌いも多く出てきます。
今まで、毎日のように食べていたものも、急に食べなくなることもあります。
一時的なことがほとんどですので、ちょっと食べないからといって『この子は○○が嫌い』と決めつけず、根気よく繰り返し食べさせるとよいでしょう。
気が変わって、大好物になった、なんてことも、しょっちゅうあります。
そのくらい、気まぐれですので、振り回されないようにしましょう。
急に食べなくなったら...
急に食べなくなったら、好きなものと混ぜたり、味付け、硬さ、大きさを工夫すると食べることもあります。
ちょっと工夫をするだけで、食べてくれることはよくあります。
栄養バランスは大事ですが、基本的に気まぐれなですので、毎日バランスよく食べるのは、とても難しい時期です。
1週間くらいの期間で、ある程度のバランスがとれれば良い、と大らかに考えましょう。
時には、市販製品を取り入れたりして、離乳食作りがストレスになり過ぎないように、保護者の方も気をつけてください。