小児科

子どもの口や歯の怪我と対処法について【ホームケアを解説】

 

  • 『転んで口の中が切れてしまった』
  • 『歯を打ってしまったが、大丈夫か心配』

など、口を怪我した後に受診されることがあります。
小児科はあくまで内科的な疾患を診るところが多いので、外傷した場合は耳鼻科、歯科、救急科などが受診先の候補になると思います。

とはいえ、ご家庭で事故が起こった場合、多くの方のかかりつけは小児科が多いので、そのまま小児科に受診されるケースもあるでしょう。

今回は、口腔内の怪我や対処法について簡単に解説していきます。

本記事の内容

  • 口腔内の怪我と対処法
  • 歯が折れた場合の対処法
  • かかりつけの歯科も作ろう
Dr.KID
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主に3点について解説します。

転んで口から出血してしまった

まずは転んで出血してしまったケースから説明します。

多くの場合、唇、舌、頰の粘膜などからの出血が多いと思います。
口の中は非常に血流が多いため、切れると派手に出血してしまいますが、まずは慌てずに対処しましょう。
具体的には、以下の手順を見ておくと良いでしょう。

口を切ってしまった時の対処法

公園など、外出先で転んでしまった場合、口の中が砂などで汚れていることがあります。
このため対処法として、

  1. 汚れをタオルなどで拭く
  2. うがいや流水で傷を洗い出す
  3. 出血が続くなら、ガーゼやタオルで止血する

が基本になります。
しばらく圧迫止血をしてみても止まらなければ、病院に受診するようにしましょう。

Dr.KID
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受傷した場所を流水などで綺麗にして、圧迫止血しましょう。

縫った方が良いですか?

時に「縫ったほうが良いですか?」と気にされる方もいます。
確かに、出血が止まらないような大きな傷や深い傷の場合、縫合などの処置が必要となることもあります。
その反面、通常の口の怪我であれば、そこまで深かったり、大きかったりするケースは多くはないので、自然に治るのが期待できることが多いです。

Dr.KID
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とはいえ、判断に迷うようでしたら、医療機関に受診してください。

あとは、唇と肌の境界あたりの傷だと、縫合をしなかったために、ずれてくっついた場合、将来的に美容的に問題となるケースもあります。
このような場合は、境界線がずれないように縫合処置をすることもあります。

Dr.KID
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縫合するか否かは、傷の場所や深さなどでも判断をしています。

歯を打ってしまった…

前方の転んだ拍子に、地面やテーブルなどに歯を打ってしまうことがあります。
この場合に注意すべき点は、

  1. 歯がぐらついてないか?
  2. 痛みがひどくないか?
  3. 歯が折れていないか?

の3点を消をつけましょう。

また、最初に痛みがなくても、後から歯茎が腫れたり、歯や歯茎の色が変わってくることもあります。この場合も、歯科へ受診しましょう。

Dr.KID
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歯のことは歯医者さんへ。

歯が折れてしまった時

歯が折れてしまった時は、まず口から歯を出させましょう。
間違って飲み込んでしまう可能性がありますし、大きさ的には気管などへ誤嚥してしまう可能性も少なからずあります。

折れた歯の対処ですが、(手元にあれば)牛乳に浸すと良いでしょう。
手元に牛乳がない場合は、濡れたティッシュなどで包んむ方法で代用してください。
時々、氷水に歯を浸してしまう方もいるようですが、氷で冷やすと歯の細胞が壊れてしまうため、注意が必要です。
永久歯の場合、対応が早い方が歯の細胞を温存できる可能性が高まります。

口腔内の怪我の予防について

公園で転ぶなどは予防が難しいですが、自宅内での事故であれば予防可能なことがあります。

例えば、子供が歯ブラシをくわえたまま転倒して、歯ブラシが口の中を傷つけてしまうこともあります。
普段から、棒状のものを口にくわえたまま歩かないよう習慣づくりをしたり、鋭利なもの(焼き鳥の串など)は咥えさせないように気をつけましょう。
まずは乳幼児が手に取れないように、ご家庭や外出先で工夫すると良いでしょう。

かかりつけの歯科も持ちましょう

これら怪我の対応に備えてという意味合いもありますが、虫歯予防の意味合いも含めて、かかりつけの歯科を持った方が良いと思います。
というのも、日本は先進国の中でも小児の虫歯がやや多いです。

口の健康を保つことは生涯を通じて非常に重要ですので、小児科のかかりつけ医と同様に、歯科もかかりつけを作るようにしておくと良いでしょう。

Dr.KID
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万が一の時に受診できる小児科・歯科を作っておくとよいでしょう。

まとめ

今回は子供の口の怪我と対処法について解説してきました。

小児科の専門から外れますので、詳細は省略させていただき、あくまでも一般的な内容の説明としています。

止血できない、痛みがひどい、歯が折れたなど、口腔内のひどい怪我の場合は、お早めに医療機関に受診するようにしましょう。

Reference

・CURRENT Diagnosis and Treatment Pediatrics, Twenty-Fourth Edition
・Nelson Textbook of Pediatrics, 2-Volume Set
・Nelson Essentials of Pediatrics, 8e
・Medical Note presents
・小児科学, 10e
・小児の薬の選び方・使い方
・HAPPY!こどものみかた
・子どもの風邪
・小児科診療ガイドライン
・今日の治療薬

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。