前回、新生児の呼吸・脈拍・体温や排泄について解説してきました。
今回は、新生児の体重について、みていきましょう。
新生児の体重の変化について
赤ちゃんの生理的な体重減少
赤ちゃんは平均すると約3,000 gで生まれてきます。
しかし、子宮の中では羊水に浮かんでいたため、水分を体に蓄えて生まれてきます。
生まれてすぐは、
- 母乳が上手に飲めない
- 蓄えた水分が汗や尿から排出される
といった理由で、生まれた時より体重が減少します。
およそ10%くらいまで、体重が減ることがあります。
体重が減ってしまうと驚かれる保護者の方々もいますが、これは「生理的(正常範囲内)」体重減少なので、心配はいりません。
新生児の生理的体重減少でいつ頃までに減った体重は戻りますか?
どのくらい母乳やミルクが飲めているかによりますが、1週間〜10日以内にもとの体重に戻ることがほとんどです。
逆に2週間しても体重が元どおりにならない場合、哺乳量が不足していないか疑います。
近年、母乳の重要性が見直され、完全母乳栄養を推奨する産院が増えています。
しかし、完全母乳栄養をこだわりすぎると、赤ちゃんが十分な水分と栄養が取れず、体重が増えなくなってしまうことがあります。脱水がひどいと、黄疸になってしまうこともあります。
新生児どのくらい体重は増えますか?
生後1ヶ月までは、平均すると1日あたり30〜40 gずつ増えていきます。
毎日、同じように増加していくわけではなく、あまり増えない日もあります。
毎日の計測で一喜一憂するのでなく、1週間くらいのスパンでみて、平均して増えているかどうか確認するとよいでしょう。
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低出生体重児について
生まれた時の体重が、2,500g未満の新生児を、低出生体重児と呼びます。
2,500 g未満でも、活発に運動し、母乳もよく飲む場合には、普通の赤ちゃんと同じように育てて大丈夫です(多くは2,200〜2,300g以上)。
一方で、体重が少なく、体の機能や発達も未熟な場合には、しばらくは保育器のなかで育てていきます。
保育器では、環境の温度を調整したり、栄養を与えたりしながら、医学的な管理をして育てています。
NICUについて
近年は、新生児集中治療室(NICU)が整備されて、早い時期に生まれてしまった赤ちゃんや、体重の少ない赤ちゃんも、綿密な医学的管理をしながら育てられるようになっています。
発育や発達については、生まれた日ではなく、分娩予定日をスタートとして考えていきますので、同じころに(正期産で)生まれた赤ちゃんと比べる必要はありません。
1〜2歳くらいで、徐々に追いついてきますので、成長を見守っていきましょう。
まとめ
今回は新生児の体重について、簡単に解説してきました。
次回は、新生児のへその緒や聴力などを解説していこうと思います。
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