ほとんどの小児科医は離乳食の開始時期を5〜6ヶ月くらいからで推奨していると思います。
他の先進国でもおよそ開始時期は同じか、少し早いく4〜6ヶ月です。
今回は、離乳食の開始時期以外でよくされる質問にお答えしてみようと思います。
赤ちゃんが離乳食を開始できる目安ってありますか?
赤ちゃん側が離乳食の準備ができているかですが、月齢以外に
- 支えたり、もたれていれば座っていられる
- 首が座って、頭の動きをコントロールできる
- おもちゃや手を口にもっていく
- よだれが多くなってきた
- 周りの人が食事をしているのに興味を示す
などが目安になると思います。
どの食品から離乳食を開始すると良いでしょう?
最初に始める時は1種類からで、しっかりとすりつぶしてください。
日本では10倍粥から始めるケースが多いですが、海外では赤ちゃん用のシリアル、果物、野菜、肉などから開始することもあるようです。
数日間毎に離乳食の食品を1種類ずつ増やしましょう
離乳食の食品ですが、基本は数日間毎に1種類ずつ増やすのがよいでしょう。
複数の食品を一度に開始すると、アレルギーが出た場合に、どの食品が原因かわかりづらくなってしまうことがあるためです。
(↑あくまでも目安です。ご家族によっては、1種類ずつは実現が難しいこともあります。そのような時は、2種類ずつ増やすなど、アレンジしてもらって、柔軟に対応していただいてよいでしょう)
注意点:離乳食に砂糖や塩は足さない
離乳食に砂糖や塩は足さないようにしましょう。
ヒトは塩っぽいもの、甘い物が本来は好きで、一度慣れてしまうと、なかなか薄味に戻すのが難しいためです。
離乳食作りがしんどい時は市販製品にも頼ってみては?
育児に、家事に、(中には仕事に)と大忙しで慌ただしい日々を過ごしている方もいると思います。
あまり無理をしすぎず、時には肩の力を抜いて、手抜きをしても良いでしょう。
離乳食を作るのが辛い時は、市販のベビーフードに頼ってもよいと思います。
食物アレルギーってどうやって分かりますか?
とある食品(卵や小麦など)を食べて
- 蕁麻疹がでる
- 口や顔が腫れる
- 嘔吐する、下痢をする
- 咳き込んで、呼吸が苦しそうになる
- 顔が真っ青になる
などの反応が起こると、食物アレルギーを強く疑います。
また、このような症状が出た場合は、病院へ速やかに受診しましょう(救急車を呼んでも構いません)。
こどもに食べさせてはいけないものはありますか?
牛乳と蜂蜜について
1歳未満の乳児に牛乳をミルクの代わりとして大量に与えると、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。
ですが、調理に入れる程度であれば鉄欠乏の問題ありませんので、神経質にならないでください。
あと、注意していただきたいのは蜂蜜(はちみつ)です。
特に1歳未満の乳児に蜂蜜を与えると、ボツリヌス症になる恐れがありますので、与えないでください。
窒息や誤嚥しやすい食べ物
窒息(喉を詰まらせる)したり、誤嚥(間違って気管に食べ物が入る)しやすい食品があり、
- ナッツ類(ピーナッツ、アーモンドなど)
- 豆類
- ホットドッグ・ウインナー
- ぶどう(まるごと1個)
- プチトマト(まるごと1個)
- ポップコーン
- 飴
- グミ
などは注意しましょう。
少なくとも4歳以下のお子さんは、これらの食品をそのままの状態で摂取しないほうがよいでしょう。
丸呑みすると、誤嚥しそうなものは避けるか、ひと工夫するようにしてください。(→ブドウやプチトマトは、一口サイズに切ってあげるなど、配慮をしましょう)
*私個人としても、過去に枝豆・ピーナッツ・ホットドッッグ・プチトマト・ブドウの誤嚥を小児科医として経験しています。(全身麻酔で気管支鏡での摘出必要であったり、窒素して救急車で運ばれてきました)
ジュースをあげてもよいですか?
お子さんは1歳未満でしたら、ジュースを与える必要はありません。
1歳以降であればジュースをあげても構いませんが、1日 120 ml以下(およそ体重1kgあたり10ml)にとどめるようにしましょう。
ジュースを日常的に飲みすぎると、肥満や低身長の原因になる可能性がしてきされています。
果汁てなく、果物そのもの(果肉)であれば離乳食として与えて構いません。
まとめ
今回は離乳食開始に関する質問に簡単にお答えしました。
全てに科学的根拠があるわけではないのですが、一般的に言われている注意点をまとめています。
あわせて読みたい