前々回、前回は火傷の重症度、受診の目安、対処法などについて解説してきました。
受診の目安や重症度、対処法などがわかれば、急な火傷を起こしても、正しく対処することができるようになるでしょう。
しかし、もちろんですが、火傷(熱傷)にならないに越したことはありません。
今回は火傷の予防もいくつかありますので、一般的に言われていることを説明していこうと思います。
自宅でできるこどもの熱傷予防
自宅で熱傷を起こしてしまうケースが驚くほど多いですが、家庭環境を少し見直すだけで予防につながることがあります。
火を起こすものに注意
自宅に仏壇があったりすると、マッチ、ろうそく、ライター、チャッカマンなどが置いてあることがあります。
子供は(特に男の子)こういった火を起こすものを、おもちゃのように使いたがします。こどもの手が届かない場所に隠してしまいましょう。
自宅での喫煙はやめましょう
自宅で喫煙しているとタバコそのもので火傷してしまったり、吸い殻で火傷することもあります。
また、受動喫煙はこどもの健康に悪影響ですので、少なくとも自宅内での喫煙はやめましょう。
火傷ではありませんが、タバコの吸い殻を誤嚥して受診されるケースもあります。
タバコそのものの誤飲より、吸殻の誤飲のほうが危ないです。
熱いもの、火元から遠ざける
- 熱い食べ物、飲み物
- ストーブやオーブン
- ホットプレート
- アイロン
などから遠ざけるようにしましょう。
体にしっかりフィットした衣類を着せたり、燃えにくい素材でできたパジャマを着せるとよいでしょう。
カーシート、シートベルト、ベビーカーについて
カーシート、シートベルト、ベビーカーに金属やビニールがあると、日差しによって非常に熱くなっていることがあります。
長時間、日光にあたる場合は、ブランケットやタオルでカバーをしてあげるとよいでしょう。
日焼けにも気をつけましょう
日焼けでも軽い熱傷を起こしてしまうことがあります。
傷害速報(Injury Alert)は知っていますか?
日本小児科学会で公開している『傷害速報(Injury Alert)』で、事前に事故のあった商品を把握しておくとよいと思います。
電気ケトルは熱傷に要注意
『母親は常時,電気ケトルを床の上において使用していた.母親は居間にいなかったため, 具体的な発生状況は不明である.しかし激しい泣き声に気付いて居間に戻ったところ,患 児のすぐそばに電気ケトルが横たわっており,熱湯の溜まりの中に患児が腹這いになっていた』
例えば電気ケトルで熱傷を起こし医療機関に受診された例が複数報告されています。
類似例も複数例報告されています。
商品を購入する前に、こういった情報を事前に見ておくのも良いと思います。
まとめ
主に自宅でできる熱傷の予防方法について記載してきました。
傷害速報(Injury Alert)などを通して、家庭環境を見直しておくと、不要な事故を予防することもできます。
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