火傷(やけど)は医学的に熱傷(熱傷)といいます。
前回は小児の熱傷の重症度分類や、受診の目安などを簡潔に解説してきました。
ですが、お子さんが火傷を起こしてしまったら、その場で応急処置をしてから受診したほうがよいケースがほとんどです。
今回は、実際に熱傷の治療について簡単に説明していこうと思います。
熱傷の治療について
前回解説した熱傷のうち
- I 度熱傷
- 浅達性 II 度熱傷
は範囲が狭ければ自宅でも治療可能なことがありますが、
- 深達性 II 度熱傷
- III 度熱傷
は医師による治療が必要です。治療の基本は
- 汚染した部位を綺麗にする
- 冷やす
- 感染を予防する
- 痛みをコントロールする
の4つになります。
ホームケアとして出来そうなことを列挙していきます。
汚染した部位を綺麗にする
まず、火傷してしまった場所は衣類を脱がせ、水道水で洗い流しましょう。
もし火傷してしまった場所と、衣類がくっついてしまっていたら、無理に剥がさずに医療機関へ受診しましょう。
イソジンやオキシドールで消毒しようとする方がいますが、基本的に必要ありません。(熱傷した場所の治癒が遅れる可能性があります)
流水で汚れた部分を流せば十分です。
熱傷した部位を冷却する
流水などで皮膚を綺麗にしたら、皮膚を冷却しましょう。
氷で直接冷却するより、氷嚢に氷と水を入れて冷やしたり、冷たいタオルで冷却するとよいでしょう。
熱傷した場所を冷やしてあげることで;
- 熱傷の広がりを防げる
- 痛みを減らせる
といった効果が期待できます。
感染症を予防する
時々、熱傷した部位に
- 歯磨き粉
- 卵やマヨネーズ
- マスタード
などを塗る方がいますが、感染のリスクが上がるのでやめましょう。
熱傷した場所は1日に1〜2回は流水で綺麗にして、軟膏とガーゼで覆ってあげるとよいでしょう。
湿潤療法といって、ワセリンなどで湿潤環境にすることもあります。
痛みを軽減する
熱傷部位に痛みを感じることも多いと思います。
冷やしてあげると痛みが和らぐころが多いでしょう。
痛み止めを飲んでもよいでしょう。
その他
火傷してしまった場所は最初は痛みが強いですが、治る過程で痒みを伴うことがあります。
ワセリンで保湿して、ガーゼで覆ってあげることで、痒みが軽快したり、直接皮膚を傷つけるのを予防することができます。
かきむしって皮膚を傷つけないように、爪は短くしておくとよいでしょう。
まとめ
火傷の治療のポイントは、
- 流水でしっかりと皮膚を綺麗にする
- 冷やす
- 感染の予防をする
- 痛み止めを必要に応じて使用する
になります。
次回は、火傷の予防について解説していきます。
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