- 『先月から保育園に入園しました』
- 『入園してから、風邪を毎週のようにひいていて心配です』
- 『月に1回は発熱している気がします。大丈夫でしょうか』
といった質問をよく受けます。
特に4〜6月は入園される方も多く、同じようなケースが続きます。
今回は、こちらの相談にお答えしてみます。
集団生活では子供の数だけ様々なウイルスに接触します
保育園・幼稚園入園前は、生活の中心は自宅のことがほとんどでしょう。
自宅にいるのは免疫力のある大人ですので、風邪をうつされるケースは少ないです。
つまり、もともと風邪のウイルスに遭遇する機会が少なかったのです。
集団生活は風邪など感染症にかかる確率が上がります
保育園・幼稚園には子供の数に比例してウイルスがいます。
このため、入園直後はお互いに風邪を移しあいます。
結果として、「ずっと鼻水が続いている」、「咳が良くなったり悪くなったり」、「2〜3週間に1度は発熱する」を繰り返してしまいます。
乳幼児は徐々に免疫力がつきます
母から免疫をもらって産まれてきます
赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時は、へその緒を通して母親とつながっています。
へその緒を通して免疫グロブリンという免疫物質を受け取って、産まれてきます。
このため、最初の6ヶ月は感染症にかかりづらいですし、発熱することも少ないです。
生後6ヶ月以降は、自分の力でウイルスと闘います
生後6ヶ月以内は、お母さんからもらった免疫グロブリンという武器でウイルスと戦うのですが、6ヶ月で母親由来の免疫グロブリンは完全になくなります。
生後6ヶ月以降は、自分の力で風邪のウイルスと戦わなくてはなりません。
生後6ヶ月以降は生涯で最も無防備な状態になるため、風邪にかかりやすくなるのです。
徐々に免疫力はついてきますよ
免疫は体内に記憶されるため、一度罹患したウイルスや、似たようなウイルスにはかかりづらくなります。
徐々にウイルスとの戦い方を体が覚え、風邪にかかる回数もゆっくりと減ってきます。
最初の数ヶ月〜半年は焦らずに
個人差もありますが、保育園・幼稚園に行き始めて数ヶ月〜半年は風邪を繰り返します。
単なる風邪を繰り返しているケースがほとんどですので、気長に様子をみていきましょう。
風邪の合併症には注意しましょう
風邪をひくと、中耳炎や肺炎になってしまうこともあります。
耳を痛がる、呼吸を苦しそうにする、発熱がずっと続くなどは、風邪を引くたびに注意されてもよいでしょう。
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