- 夜に急に「膝が痛い!」「足が痛いよー!」といって泣き出しました
- 成長痛って、泣き叫ぶほど痛いんですか?
- 成長痛の対処法を教えてください
と受診されることがあります。
大抵は急に起こるため、びっくりされるのは仕方ないと思います。
今回は、成長痛に関する解説と、対処法について説明していこうと思います。
成長痛について
通常、子供が手足を痛がるのは、
- 手足をぶつけた
- 足首を捻った
など外傷が多いです。
一方で、成長痛は明らかな怪我がなく急に痛がります。
外傷を除いて、子供が手足を痛がる原因として最も多いといわれています。
成長痛の起こりやすい時期
成長痛は3歳〜12歳の子供で起こりやすいです。
特に4〜6歳がピークといわれ、男児のほうが多いです。
学童(主に小学生)に限ると約10%で成長痛を認めています。
成長痛の特徴
成長痛は夕方から夜間に起こることが多いです。
痛みの強さは人それぞれで、我慢できるくらいの鈍い痛みから、夜中に目が覚めて泣き出してしまうほど痛みが強いこともあります。
夜間に痛くて泣いていたのに、朝になると痛みが消えて、ケロッとしていることが多いでしょう。
運動量と成長痛
成長痛は運動量と相関しています。
つまり、日中に激しく運動する子のほうが成長痛を起こしやすいです。
筋肉を酷使することで発生する痛みの可能性が指摘されています
女児より男児のほうが多いのは、おそらくこのためです。
成長痛が起こりやすい場所
成長痛が起こりやすい場所は決まっていています。
太もも、ふくらはぎ、膝の裏が圧倒的に多く、両側が同時に痛む傾向にあります。
関節そのものには痛みはなく、太ももやふくらはぎの深い場所に鈍痛を認めることが多いのが特徴です。
成長痛と一緒に起こる症状
時に成長痛と一緒に頭痛や腹痛が起こることがあります。
時々「親に甘えたいから」「そんなに痛くないでしょ」と心ないことを言う方もいますが、本当に痛いのです。
成長痛の検査
成長痛は問診と身体診察でほとんどが診断できます。
骨折など外傷を疑えばレントゲンを撮りますし、若年性のリウマチを疑えば血液検査をすることがあります。
検査をする時は;
- 痛みが持続する
- 朝起きても痛みがひかない
- 関節が腫れている
- 動かしづらい、歩けない
など、成長痛だけでは説明がつかない場合に検査をします。
成長痛の治療について
成長痛は思春期前後(12〜14歳)で消失することがほとんどですので、特別な治療は必要ありません。
ですが、ひどい場合には、痛くて起きてしまうこともあるので、痛みのケアはしてあげてもよいと思います。
寝る前にストレッチやマッサージを
寝る前に太もも、ふくらはぎ、腕などをストレッチしたり、マッサージをすると筋肉がほぐれて、夜間に痛みが出づらくなったり、痛みが和らぐことがあります。
痛みがひどければ湿布を
あらかじめ痛い場所が分かっているなら、湿布を貼ってもよいでしょう。
痛みがひどければ鎮痛剤の使用も
我慢できないくらいの痛みなら、痛み止めを使用してもよいでしょう。
最近は市販薬でも痛み止めは販売していますので、お子さんの痛みに備えて常備しておいてもよいでしょう。
まとめ
怪我をしていないのに、夕方〜夜間に足などに痛みを訴える場合、成長痛の可能性があります。
特徴としては、学童に多く、朝になると痛みがすっかり引いている点がユニークです。
対処法として、ストレッチ、湿布、痛み止めなどがあります。