IARCによるとタバコはグループ1の発がん物質(発がん性において、十分なエビデンスがある)とされています。
タバコと聞くと、ニコチンやタールといったイメージが強いですが、これ以外にも多くの発がん物質が含まれています。
今回はタバコと発がん物質について説明していこうと思います。
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タバコと発がん物質について
タバコの煙には7,000以上の化学物質が含まれており、そのうち少なくとも81の化学物質は発がん性があるかもしれないと報告されています。
ニコチンについて
タバコと聞くとニコチンを連想する方が多いと思いますが、ニコチンそのものに発がん性があるわけではありません。ニコチンは嗜好性があり、依存を起こしやすい物質です。特に10代の小児はニコチンに依存を起こしやすい傾向にあるようです。
ニコチンは神経系や心臓に作用し、食欲低下、気分の高揚、心拍数や血圧の上昇、嘔吐・下痢などを起こすことがあります。
ニコチンを習慣的に摂取している人が急に止めると離脱症状を起こすことがありますが、この症状としては、不安・抑うつ・頭痛・食欲亢進・集中力の低下などがあります。
タバコに含まれるグループ1発がん物質(Group 1 carcinogen)
Group 1 carcinogenとは、ヒトにおいて発がん性物質として十分な科学的根拠があるものをいいます。タバコの中には、複数の化学物質が含まれていますが、これに該当するものの代表例は以下の通りです:
- Arsenic
- 4-Aminobiphenyl (4-ABP)
- Benzene (oral cancer)
- Benzo[a]pyrene (oral cancer)
- 1,3-Butadiene
- Cadmium
- Chromium
- Formaldehyde
- 2-Naphthylamine (2-NA)
- 4-(N-Methylnitrosoamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone (NNK)
- Nickel
- N’-Nitrosonornicotine (NNN)
- Polonium-210 (Radon)
- Vinyl Chloride
などが該当します。
タバコに含まれるグループ2発がん物質(Group 2 carcinogen)
Group 2 carcinogenは、ヒトにおける科学的根拠は限定的であるが、動物実験のエビデンスは十分である発がん物質のことをいいます。
- Dibenz(a,h)anthracene
- N-Nitrosodiethylamine
- N-Nitrosodimethylamine
などが該当します。
おわりに
今回はタバコと発がん物質について簡単に説明してきました。
タバコというとニコチンやタールというイメージが強いですが、発がん物質を見るとかなり細かくあります。
発がん物質の分類に関しては、以前説明してきたので、興味のある方はそちらを読んでいただければと思います↓
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