今回は2008年にオーストラリアで行われた、前向きのCase-control studyの結果です。乳幼児を対象にインフルエンザワクチンの有効性を評価しています。
ポイント
- 2008年オーストラリアの乳幼児を対象
- 3価インフルエンザワクチンの有効性を検証
- 有効性は65%前後
マミー
たくさん論文があるのですね?
Dr.KID
今回でブログ記事は一区切りにしようと思います。
研究の方法
対象となったのは、
- 2008年
- 西オーストラリアに居住している乳幼児
- 研究を行なった医療機関の救急外来またはクリニックに受診
した方が対象です。
Case-Control Studyですので、
- Case: PCRでインフルエンザを確定
- Control: インフルエンザ検査陰性患者
で行なっています。
ワクチンについて
ワクチンは、インフルエンザ不活化ワクチン(3価)を使用しており、
- Full: スケジュール通り
- Partial: スケジュール通りではないが接種はした
- なし
のいずれかに分類しています。
ワクチン効果について
ワクチンの有効性(VE)に関しては、
- Multivariable logistic regressionで
- 年齢、性別、民族など交絡を対処した上で
- adjusted ORを算出し
- VE = (1 – OR) x 100%
を見ています。
Dr.KID
いわゆる「Test-Negative Control」という方法ですね
研究結果と考察
最終的に2歳未満は154人が参加しています、ワクチンの有効性は以下の通りでした。
ワクチン効果
コントロール | VE | 95%CI |
検査陰性者全て | 63% | -61 to 91 |
検査陰性 + 他のウイルス陽性 |
67% | -45 to 93 |
2歳未満の結果は上の通りです。有効性は65%程度と推定されています。
感想と考察
コントロールを変えて解析をしていますが、およそ65%ほどの結果です。
コントロールのサンプルについて、医療機関受信者のみを対象にしており、選択バイアスを招いている可能性はあり得ると思います。
まとめ
今回の2008年オーストラリアの研究では、2歳未満の乳幼児に対してインフルエンザワクチンの有効性は65%前後と推定されています。
マミー
オーストラリアでも2歳未満を対象にワクチンの有効性が出ていたのですね
Dr.KID
研究デザインに少し問題があるかもしれませんが、ワクチンの有効性は65%ほどでした。
まとめ
- 2008年オーストラリアの乳幼児を対象
- 3価インフルエンザワクチンの有効性を検証
- 有効性は65%前後
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Dr.KID
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