科学的根拠のある子育て・育児

インフルエンザ迅速検査をするタイミングと感度・特異度について [2011 & 中国編]

  •  「インフルエンザの検査は、半日過ぎてから」

医療機関によっては検査のタイミングのカットオフが異なりますが、インフルエンザの症状(主に発熱)開始から「6時間」「12時間」「24時間」など、一定の時間が経過してから検査をすることが多いでしょう。

これは、発熱してすぐより、少し時間が経ってからの方が、鼻腔内のインフルエンザの量が増えるため、検査の正確性が上がるからと考えられています。

一方で、「XX時間だと感度や特異度はどのくらい?」という疑問に答えた研究はそれほど多くはありません。

今回、中国の研究を発見しましたので、そちらを紹介します。

ポイント

  •  インフルエンザの迅速検査の研究:2009年中国
  •  迅速検査は発熱2日目にすると感度・特異度ともに高そう
マミー
マミー
早く受診しすぎると検査してくれないこともありますか?

Dr.KID
Dr.KID
ケースバイケースですが、発熱直後とかだと、「また明日」「また夕方」に来てねということはあり得ます。

 

研究の方法

今回の研究は、2009年4月に中国で行われた研究です。

対象となった検査キットは

  •   a new lateral-flow RIDT kit [SD Bioline Influenza Ag A/B/A(H1N1)]
  •   PCR
  •   ウイルス分離

を使用して、妥当性を検証しています。

Dr.KID
Dr.KID
いわゆる「Validation study」ですね

研究結果と考察

最終的に340人が参加しています。結果は以下の通りでした。PCRの結果をゴールドスタンダードとしてみてみましょう。

感度と特異度

  N 感度 特異度
数時間以内 86 61.1% 96%
1日 158 61.3% 99%
2日 59 92.3% 97%
3日 22 50% 100%
4−12日 15 37.5% 100%
全体 340 65% 98%

発熱した初日より、2日目の方が感度は高そうですね。特異度に関しては、かねがね95%以上あり、かなり優秀と思います。

 感想と考察

迅速検査の場合は、1日くらい経過していた方が良さそうですね。ワクチン接種の有無で、結果が異なるかも気になるところですね。

Dr.KID
Dr.KID
実際に検査するか否かは、また別の話ですので、このシリーズでは省略させてもらいます。

まとめ

インフルエンザの迅速検査は、発熱してから1日経過してからが感度が高そうでした。

 

マミー
マミー
具合が悪くなければ、少し様子を見てから受診してみる方が良さそうですか?

Dr.KID
Dr.KID
ケースバイケースですが、本人は熱以外で心配な要素がなく、「診断の精度を上げたい」のであれば、選択肢になると思います。

まとめ

  •  インフルエンザの迅速検査の研究:2009年中国
  •  迅速検査は発熱2日目にすると感度・特異度ともに高そう

 

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。
RELATED POST