インフルエンザの診断の補助で使用する迅速検査ですが、使用するタイミングで感度が大きく変化する点は、これまでの研究でお伝えしてきました。
今回の研究も同じテーマで分析していますが、検査キットでも異なるかを検討しています。
まとめ
- インフルエンザ迅速検査の妥当性を評価したアメリカの研究
- 症状がでてから4日以上は、感度が落ちる
- 検査キットによって感度・特異度はばらつきがある
マミー
検査キットでも正確性は異なるのですか?
Dr.KID
基本的には似たような結果がでるでしょうが、微妙な違いはあるかもしれないですね。
研究の方法
今回の研究は、アメリカの小児病院1施設で、呼吸器感染症で入院した小児を対象に、2000年に研究がされたようです。
検査について
検査は、
- 迅速検査
- RT-PCR
で妥当性の評価をしています。さらに、迅速検査も複数の種類で、感度・特異度を比較しているようです。
Dr.KID
検査キットによる違いも比較している点がユニークですね。
研究結果と考察
最終的に625人の入院患者が対象となっています。
病日によって感度はかわるか?
「4日以前前 vs. 4日以降」で感度・特異度を算出しています。
〜4日, N=96 | 4日〜, NN=137 | |
感度 | 100% | 55% |
特異度 | 97% | 98% |
感度は4日までなら100%と非常に高かったですが、4日をすぎると低下しているのが分かります。
Dr.KID
これまでの研究と比較して、日数の区切りかたがアバウトで、さすがに感度100%は高すぎる気がしますが…
検査キットによる違い
キット | 感度 | 特異度 |
FLUOIA | 83% | 76% |
QuickVue | 73% | 96% |
ZstatFLU | 62% | 99% |
Flu A+B* | 86% | 89% |
Flu A* | 88% | 97% |
(*Directagenを使用)
検査キットによって、感度はばらつきが大きくありそうです。特異度はどの検査キットも高めではありますが、FLUOIAは低いですね。
まとめ
今回の研究は、インフルエンザ検査のタイミングと、検査キットによって感度・特異度の違いを比較しています。
4日以降の検査は感度が下がる傾向にありました。また、キットによっては感度や特異度が低いものがあるようです。
マミー
検査キットによって精度は多少異なるのですね?
Dr.KID
そのようです…メーカーによって製品が微妙にことなるからでしょう。
まとめ
- インフルエンザ迅速検査の妥当性を評価したアメリカの研究
- 症状がでてから4日以上は、感度が落ちる
- 検査キットによって感度・特異度はばらつきがある
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