- RSウイルスによる受診はどのくらいでしょうか?
RSウイルスは乳幼児に感染するため、小児科外来や夜間救急外来受診の原因となります。
今回の研究では、月齢別に、ERや小児科外来への受診率をみてみましょう。
ポイント
- RSウイルスによるER受診率、小児科外来受診率を検討
- ER受診率は0-5ヶ月が高い
- 小児科外来受診率は6-11ヶ月が高い
マミー
外来に受診されやすい月齢はあるのですか?
Dr.KID
イメージとしては6ヶ月前後ですが、どうでしょうか?
研究の方法
対象となったのは、
- 24ヶ月以下
- アメリカのサーベイレンスが行われた都市(NY, テネシー, シンシナチー)
が該当しています。
感冒症状で受診した小児にswabで検査をし、RSウイルスの有無を検討しています。PCRを使用してウイルスが同定されたようです。
アウトカムについて
アウトカムに関しては、
- ER受診率
- 小児科外来受診率
などを月齢別に推定しています。
Dr.KID
分母がER受診者、小児科外来受診者のようですね
研究結果と考察
ERと小児科外来受診率は以下の通りでした
月齢別にみたER受診率
月齢 | 受診率 | 95%CI |
0-5 | 74.8 | 64.0-85.6 |
6-11 | 57.5 | 49.2-65.8 |
12-23 | 53.0 | 45.1-60.9 |
0-23 | 59.6 | 50.9-68.3 |
(/1000 children)
ER受診率に関しては、月齢が低いほど高い傾向にありますね。
月齢別にみた小児科外来受診率
月齢 | 受診率 | 95%CI |
0-5 | 215.7 | 179.8-251.5 |
6-11 | 246.1 | 205.2-287.0 |
12-23 | 180.3 | 146.3-214.3 |
0-23 | 205.7 | 169.5-241.9 |
(/1000 children)
小児科外来受診率に関しては、6-11ヶ月がピークにようですね。
感想と考察
RSウイルスは一般に2歳までに、ほぼ100%が感染します。1歳までに60%が感染するとも言われています。
月齢が低い場合、細気管支炎や肺炎など、重症化することがあります。おそらくER受診率は、それを反映してか、低い月齢ほど高くなっています。一方で、小児科外来受診率は、RSウイルス感染そのものを反映している印象です。
Dr.KID
受診率≠感染率、なので解釈は注意が必要ですね。
まとめ
RSウイルスによるER受診率、小児科外来受診率を月齢別にみた研究でした。
ER受診率は月齢が低いほど高く、小児科外来受診率は6-11ヶ月の受診率がもっとも高かったです。
マミー
ER受診されたということは、「緊急で診てもらいたい何かがあった」ということですか?
Dr.KID
はい。そのため、何かしら重症のサインがあったと解釈するのが良いのではないでしょうか
まとめ
- RSウイルスによるER受診率、小児科外来受診率を検討
- ER受診率は0-5ヶ月が高い
- 小児科外来受診率は6-11ヶ月が高い
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