科学的根拠のある子育て・育児

トイレトレーニングの方法について [子供中心のトイトレ法]

トイレトレーニングの方法も様々あるようですが、大きく分けて4つあるようです:

  •  Child-Oriented Method
  •  Azrin and Foxx Method
  •  Early Elimination Method
  •  Dr. Spock’s Method

今回は、最初のChild-Oriented Method(子供中心の方法)について解説しようと思います。

 

マミー
マミー
トイトレの方法って、いくつか流派があるって本当?

Dr.KID
Dr.KID
大きく4つの流派があるようです。

子供中心のトイトレ法の目的

子供中心のトイトレ法の目的・意図と解説していきましょう。

子供中心のトイトレ法ですが、「排便や排尿のコントロールを学ぶ上での問題点を予防」しながら、トイトレを行う方法です。

排便・排尿のコントロールは、発達と密接に繋がっています。このため、「適切なタイミングでトイトレを開始すれば、子供は比較的スムーズに習得することができる」と考えているようです。

トイトレを開始する年齢層でよくみられる発達の特徴をみながら、「トイトレの準備はできているか」を見極め、トイトレをゆっくりと進める方法です。

トイトレ中に支障をきたしたり、上手くいかないと感じた時は、親は一旦立ち止まることが推奨されています。上手くできなくても、決して「子供ができの悪い子」とみなしたり、罰したり、叱ったりしてはいけません。また、トイトレ再開の機会と準備が整ったら再開したら良いのです。

子供にトイトレの準備はできているか?

この方法の最初の1歩は、子供にトイトレの準備ができているかを確認することです。具体的には、以下を満たす場合、トイトレの準備が整いつつある傾向にあるといえます:

  •  歩行できる・一人で座ることができる
  •  言葉の指示に、いくらか理解できる
  •  心理的にも準備が整いつつある:
    – 日常生活で自律性を見せている
    – 親の姿を見ると安心し、親を喜ばせたいと思っている
    – 子供にとって重要な人を理解し、模倣しようとする

保護者側の準備としては、心理的な要素がメインです:

  •  トイトレに関して、外的なプレッシャーや不安がない
  •   リラックスして、子供にプレッシャーをかけることなくトイトレをできる

ような心理状態にあることが重要です。

少し簡潔にいうと、

  •  子供の発達が進んで、
  •  親子関係が深まり
  •  親が心理的にOK

という3つの条件が整った場合に、トイトレを開始しましょう、という考え方です。

Dr.KID
Dr.KID
子供側の条件が整っているかに重心を置いた方法です

トイトレの方法について

実際のトイトレの手順は以下の通りです

1. おまるに慣れる

生後18ヶ月(1歳半)くらいを目処に、おまるや補助便座に慣れさせます。最初はトイレで行う必要はなく、まず触れてみる、興味を持たせてみることが重要です。

そして、おまるや補助便座に慣れてきたら、親のトイレと言葉で関連付けさせると良いでしょう。

2. 着衣したまま座らせる

次のステップは着衣したまま毎日座らせることです。

おまるであれば、親がトイレに行った時に一緒に座らせても良いでしょう。補助便座の場合は、親がトイレをした後に座らせてみても良いと思います。

子供が座っている間に、本を読んだり、歌を歌ったりして、慣れさせると良いでしょう。もちろん、子供がおまるや補助便座から離れたくなったら、トイトレは終了しましょう。

3. おむつを外して座らせる

着衣して座らせるのに慣れて1-2週間ほどしたら、おむつを外して座らせることも重要です。

この際に嫌がるお子さんも一定数いますが、強制的に座らせたりしないようにしてください(逆効果です)。嫌がったら、2に戻るようにしてください。

4. おまるや補助便座に慣れてきたら

子供がおまるや補助便座に慣れておむつを外したら、児をおまるに連れて行き、おむつをおまるや補助便座の中に入れて、「ここが便通の場所」と説明します。

5. トレーニングの回数を増やす

子供の理解が進んでいるようなら、1日に数回トイレに連れていく。

6. 自律性を促す

さらに子供の関心が高まれば、おむつやパンツを短時間外し、おまるを近くに置くor補助便座にアクセスできるようにします。
子供が自分でおまるや補助便座を使うように促します。

定期的に呼びかけてもよいでしょう。

7. パンツの上げ下げの指導

上達してきたら、トレーニングパンツを使用して、上げ下げを指導します。

その他

排便のコントロールが可能となると、男子は他の男子をまねて立ったまま排尿できるようになります。

まずは日中のコントロールを目標に、次に、昼寝と夜間のトレーニングと順に進めても良いでしょう。

まとめ

今回は、子供中心のトイトレ法(Child-Oritented Method)について簡単に解説してきました。

トイレトレーニングについて解説します② 〜トレーニングの手順について〜前回はトイレトレーニングを始める前に、親も子もトレーニングの準備ができているかどうかを確認しました。 www.dr-kid.net ...

他にもいくつか記事はあるので、興味のある方は読んでみてください。

次回は、別の流派の考え方、やり方も解説できればと思います。

マミー
マミー
このやり方が今は主流ですか?

Dr.KID
Dr.KID
はい。子供中心のやり方が主流ですね

 

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。