アラーム療法は夜尿症の治療で用いることがあります。
今回は、このアラーム療法をトイレトレーニング(以下:トイトレ)に応用させた研究があったので、今回はそちらをご紹介しようと思います。
ポイントは以下の通りです。
- アラーム療法がトイトレに有効か検討した小規模なRCT
- 発達面でトイトレが準備できている小児にアラームを使用
- コントロール群と比較して、日中の排尿コントロールはかなり改善
- 再現性のある効果なのかは、大規模な検討が必要
研究の概要
今回の研究は、ベルギーで行われたランダム化比較試験になります。
対象となったのは、
- 20〜36ヶ月
- トイトレの準備ができている小児
が該当しています。トイトレの準備については、主に以下に詳しく書いてあります:
治療
治療は、
- アラームを使用
- 時間毎にトイレに誘導する
のいずれかをランダムに割りつけています。
アラームは夜尿症(おねしょ)の治療で使用するようなもののようで、おむつや服に固定しておくようです(具体名は記載されておらず)。
アラームがなったら、子供をトイレに連れて行き、最後まで排尿しきるように指導する方法のようです。
この方法を5日間連続で行い、その後の日中の排尿コントロールを見ています
結果
最終的に39人(アラームあり 20人; なし 19人)が参加しました。結果のまとめは以下の通りです:
アラームありのグループの方が、
- トレーニング終了時点
- 14日後
- 1ヶ月後
において、日中の排尿コントロールが良好であったようです。
感想と考察
意外な方法、意外な結果でした。
おねしょアラームをトイトレに応用するのは目から鱗でした。確かに、オムツを濡らした時に鳴って、その後にトイレに連れて行き、排尿を完遂させるよう励ますのは、合理的なやり方のように思います。
この方法で重要なのは、「トイトレの準備ができているか」という問題です。この研究でもその点は慎重に評価していて、準備が整っている子供をしっかりと選んでいるようです。
どのような製品が使用されたか、具体名が乗っていなかったのが残念ですね。小型のアラームのようですが。
あとは、サンプル数が少ない点、盲検化ができなかったという問題点も残っています。大規模な研究での結果も見てみたいですね。
まとめ
今回は、アラーム療法がトイトレに有効か検討したRCTを解説しました。
小規模な研究になりますが、発達面でトイトレの準備が整っている小児に、アラームを使用すると日中のトイトレの成功率が大きく上がり、その後も日中の排尿コントロールが維持されたようです。
大規模な研究がないかも探してみたいです。
- アラーム療法がトイトレに有効か検討した小規模なRCT
- 発達面でトイトレが準備できている小児にアラームを使用
- コントロール群と比較して、日中の排尿コントロールはかなり改善
- 再現性のある効果なのかは、大規模な検討が必要
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