今回は、新型コロナウイルスに感染した小児のCT所見や臨床経過の症例集積を見つけたので、そちらを紹介させていただきます。
- 武漢の小児病院に入院した20例の症例集積
感染者の推移 (3/11):
- 世界:117,626人
- 中国:80,778人
- 日本:566人
- 韓国:7513人
- イタリア:10,464人
- イラン:8042人
イタリアとイランがすごい勢いで増えていいます。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツ・フランスが1000名前後に増加しています。
アメリカも患者数が徐々に増えてきています。
新型コロナウイルスに感染した小児の特徴
新しい小児の症例集積を発見したので、そちらを簡単にまとめようと思います。
概要
20の小児感染例の臨床経過、CT所見を分析しています。対象となった患者は、1/23〜2/8に入院した小児です。
感染例の年齢は?
小児の感染者の年齢を把握しましょう:
年齢 | N | % |
< 1ヶ月 | 3 | 15% |
1ヶ月〜12ヶ月 | 6 | 30% |
1ー3歳 | 5 | 25% |
3−6歳 | 3 | 15% |
> 6歳 | 3 | 15% |
意外と1歳未満の小児の感染例が多かったようですね。
感染者との接触歴
接触歴 | N | % |
あり | 13 | 65% |
はっきりしない | 7 | 35% |
家族内感染が多いためか、接触歴がある例が多かったようです
症状
症状 | N | % |
発熱 | 12 | 60% |
咳 | 13 | 65% |
下痢 | 3 | 15% |
鼻汁 | 3 | 15% |
咽頭痛 | 1 | 5% |
倦怠感 | 1 | 5% |
嘔吐 | 2 | 10% |
多呼吸 | 2 | 10% |
他の文献と同じく、発熱と咳が多かったようですね。
下痢も1割ほど認めており、これも過去の文献と同じような印象です。
血液検査
N | % | |
白血球, 10^9/L | ||
< 5.5 | 4 | 20% |
5.5-12.2 | 14 | 70% |
> 12.2 | 2 | 10% |
リンパ球(%) | ||
< 45 | 7 | 35% |
45-65 | 10 | 50% |
> 65 | 3 | 15% |
CRP, mg/L | ||
< 3 | 13 | 65% |
> 3 | 7 | 35% |
PCT, mg/L | ||
< 0.05 | 4 | 20% |
> 0.05 | 16 | 80% |
ALT, IU/L | ||
< 40 | 15 | 75% |
> 40 | 5 | 25% |
CK-MB | ||
< 25 | 15 | 75% |
> 25 | 5 | 25% |
この症例集積では、PCT(プロカルシトニン)の上昇が割と高い頻度で起こっていたようですね。
画像所見の特徴
画像所見(主にCT)の特徴は以下の通りでした:
所見 | N | % |
肺野 | ||
なし | 4 | 20% |
片側 | 6 | 30% |
両側 | 10 | 50% |
胸膜下病変 | ||
あり | 20 | 100% |
なし | 0 | 0% |
ハローサインを 伴う陰影 |
10 | 50% |
すりガラス陰影 | 12 | 60% |
微細な陰影 | 4 | 20% |
小結節影 | 3 | 15% |
他の文献と同じく、すりガラス陰影が多かったようですね。
臨床経過
20人中18人は回復して退院したようです。平均の入院期間は12.9日[8-20]のようです。
新生児の感染例は無症状だったようですが、経過観察のため、まだ病院にいるようです。
感想と考察
これまでも、いくつか症例集積が報告されていますが、ほとんど同じような結果ですね。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 小児病院に入院した20人の小児の症例集積
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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