今回は、新型コロナウイルスに感染した3ヶ月乳児の症例報告を紹介させていただきます。
- 生後3ヶ月の感染例
- 速やかに解熱した
- CTの異常はあるものの、初診時は症状なし
- 重症化することなく、治癒
感染者の推移 (3/12):
- 世界:124,375人
- 中国:80,793人
- 日本:622人
- 韓国:7869人
- イタリア:12,462人
- イラン:9000人
イタリアとイランがすごい勢いで増えていいます。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツ・フランスが1000名前後に増加しています。
アメリカも患者数が徐々に増えてきています。
新型コロナウイルスに感染した3ヶ月児
新しい小児の症例報告を発見したので、そちらを簡単にまとめようと思います。
概要
3ヶ月19日の女児が、発熱4時間後に受診しました。発熱以外に特に症状はなかったようです。
患児は母親の第1子の正期産で自然出生。出生後は母乳で育ち、成長発育は正常で、基礎疾患がなく、予定どおり0~3か月齢のワクチンを接種していた。
レントゲンには右肺に浸潤影を認め、新型コロナウイルスのPCRを実施したところ陽性だったようです。
15日間、入院で経過観察とし、その後に退院しています。
PCR検査は、途中で咽頭スワブからは陰性になったようですが、痰と糞便からはしばらく陽性が続いてようです。経過は以下の通りです:
日付 | 経過 |
1/26 | 入院 |
1/27 | 解熱 咽頭PCR陽性 |
1/30 | 咽頭PCR陽性 |
2/3 | 咽頭PCR陰性 |
2/5 | 咽頭・尿PCR陰性 便・痰のPCR陽性 |
2/9 | 咽頭PCR陰性 便のPCR陽性 |
2/10 | 退院 |
すぐに解熱して、重症化するようなことはありませんでした。
一方で、PCRでは割と長期にわたってウイルスが検出されています。
咽頭は割と早期に陰性となりましたが、痰や便からは退院まで検出されていたようです。
解釈も少し難しく、感染が続いているのか、死滅したウイルスの断片を検査が拾っているだけなのか、区別は難しいです。
感染経路は、おそらくですが、父親が入院(扁桃腺摘出術)期間にもらったものと考えられます。あるいは、旅行先のホテルでしょうか。
感想と考察
これまでも、いくつか症例集積が報告されていますが、ほとんど同じような結果ですね。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 3ヶ月小児の症例
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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