新型コロナウイルスが、世界的に拡大しています。
小児におけるSARS-CoV 2感染に関するエビデンスは限られているため、今回、システマティックレビューが行われたようです。
入手可能なエビデンスを系統的にレビューしたところ、小児は成人に比べて重症度の低い疾患パターンを有する可能性があることが示された。
血液検査および放射線学的所見は、小児では非特異的であるが、重篤な疾患を有する患者の同定に役立つことがあるかもしれない
- 小児の新型コロナウイルスに関連した論文のシステマティックレビュー
- 小児は成人に比べて重症度は低い傾向にある
- 血液検査やレントゲン・CTは非特異的
新型コロナウイルスに感染した小児の特徴を記した研究です
研究の概要
新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2) の発生は世界的に広がっている。
本研究の目的は、小児における新型コロナウイルス感染症の臨床的特徴と転帰を系統的にレビューすることであった。
結果
PubMedデータベースで検索を行った。2020年1月1日~5月1日に出版された、0~18歳の子供を含む論文を選択した。62の研究と3つのレビューが含まれ、合計サンプルサイズは7480人(男性2428/4660、52.1%;加重平均年齢7.6歳)であった。
患者は主に軽度(608/1432、42.5%)および中等度(567/1432、39.6%)の感染徴候を示した。
約2%の小児が小児集中治療室に入院した。
最も一般的に記述された症状は発熱 (51.6%) と咳 (47.3%) であった。
臨床検査所見は顕著でないことが、しばしば認めた。
小児は全症例の73.9%で胸部CTを受け、 32.7%は正常であった。
全体として、死亡率は0.08%であった。
新生児のより重症の割合 (12%) が高く、呼吸困難が最も一般的に報告された徴候 (40%) であった。
結論
SARS‐CoV‐2は成人よりも小児の方が重症は低い。
臨床検査および放射線学的所見は非特異的であることが多い。
小児における新型コロナウイルス感染の潜在的意味をよりよく理解するためには、より大規模な疫学的および臨床的コホート研究が必要である。
感想と考察
これまでシステマティックレビューは複数ありましたが、正直なところ、質が低かったり、漏れがあったりで、読んでもモヤモヤすることが多かったです。
しかし、今回の文献は非常に網羅的に見ており、小児を診療する医療者は一読の価値があると思います。
まとめ
今回は、新型コロナウイルスの症状・重症度・治療戦略などを見たシステマティックレビューを解説しました。
内容はかなり質が高いと思います。小児の新型コロナウイルスを診療する可能性のある方は、一読すべきと思います。
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