今回の研究は、NYで新型コロナウイルス感染症で入院した小児の臨床症状の特徴を記述した研究となります。
新型コロナ感染で入院した小児50人を対象とした症例集積の結果によると、呼吸器症状は非常によくみられるが、中には認めない小児もいたようです。
入院した小児は一般的に合併症を有することが多く、乳児は重症度が低く、肥満の小児は機械換気を受ける傾向があり、入院時および入院中の炎症マーカー上昇は重症度と関連していた。
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NYで新型コロナウイルス感染症で入院した小児の臨床症状の特徴を記述した研究
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新型コロナ感染で入院した小児50人を対象とした症例集積の結果によると、呼吸器症状は非常によくみられるが、中には認めない小児もいたようです。
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入院した小児は一般的に合併症を有することが多い傾向にありました。
NYの小児病院での単施設研究ですね
研究の概要
背景
小児科での新型コロナウイルス感染症の経験的記述は、小児科のある施設の臨床診療と感染予防と制御に役立つ。
このため、小児病院に入院した新型コロナ患者の疫学、臨床および検査の特徴を記述し、入院した患者間で重症疾患の有無でこれらのパラメーターを比較する。
方法
ニューヨーク市にある三次医療機関を担う(大学病院と提携している)小児病院からの電子カルテの後方視的レビューが行われた。このレビューは、2020年3月1日〜4月15日に新型コロナウイルス感染の疑いに基づいて検査され、PCR(SARS-CoV-2) 陽性となり、入院した小児(21歳以下)が対象となった。
結果
患者50人の中で、 27人 (54%) は男児であり、 25人 (50%) はヒスパニックであった。
症状発現から入院までの中央値は2日(四分位範囲、1~5日)であった。
ほとんどの患者は発熱(40 [80%])または呼吸器症状(32 [64%])を示したが、消化管症状のみを示す3人の患者 (6%) が同定された。
肥満(11 [22%])が最も多い共存症であった。
呼吸補助は、機械的人工換気を必要とした9人の患者 (18%) を含む、 16人の患者 (32%) で必要であった。1例 (2%) が死亡した。
14人の乳児の誰も、 8人の免疫不全患者の1人も重症疾患を示さなかった。
肥満は2歳以上の子供で機械的換気と有意に関係した(9人中6人 [67%] vs 25人中5人 [20%])。
リンパ球減少症は入院時に一般的に観察されたが(36 [72%])、重症疾患の有無で有意差はなかった。
重症患者は入院時に有意に高いCRP(中央値8.978 mg/dL vs 0.64 mg/dL)とプロカルシトニン(中央値0.31 ng/mL vs 0.17 ng/mL)レベルを有する傾向にあった。
入院中のIL-6,フェリチン、 Dダイマーのピークレベルも高かった。
ヒドロキシクロロキンを15人の患者 (30%) に投与したが、 3人では完了できなかった。
PCR陽性が長期的に続く患者(最大27日間)は4人 (8%) いた。
結論
新型コロナで入院した小児を対象としたこの症例集積研究では、症状は多様であった。
乳児および免疫不全患者では重症疾患のリスクは明らかには増加しなかった。肥満は疾患重症度と有意に関連していた。炎症マーカーの上昇は重症患者で見られた。
感想と考察
過去のデータと照らし合わせると、以下のような結果でした。右から2番目が今回の結果です。
症状の相違など、入院率や重症患者の割合の影響もあるのでしょう。
治療戦略についてもこの論文で記載されてはいたのですが、重症例とそれ以外で分けられていない点が非常に残念でした。
基礎疾患に関しても、ないほうが重症化のリスクは低そうですね(普通の感染症でもそうですよね)。特に肥満が高リスクのようです。喘息、糖尿病、遺伝疾患も同じような傾向にありますが、サンプル数が少なすて、不正確な推定です。
まとめ
今回の研究は、NYで新型コロナウイルス感染症で入院した小児の臨床症状の特徴を記述した研究となります。
新型コロナ感染で入院した小児50人を対象とした症例集積の結果によると、呼吸器症状は非常によくみられるが、中には認めない小児もいたようです。
入院した小児は一般的に合併症を有することが多い傾向にありました。
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