今回は、小児ITP患者において、IVIG、ステロイド、抗D免疫グロブリンを比較したランダム化比較試験があります。
- 小児のITPにおいて、IVIG、ステロイド、Anti-Dを比較したRCT
- IVIGのほうが血小板数の増加速度は早かった
ITPはかつて特発性血小板減少性紫斑病 or 免疫性血小板減少性紫斑病、その後、免疫性血小板減少症と呼び名が変わっています。
研究の概要
背景・目的
小児の急性免疫性血小板減少性紫斑病 (ITP) の最も重篤な合併症である頭蓋内出血である。
方法
- 生後7か月〜14.4歳
- 典型的な急性ITP
- 血小板数≦20 x 10^9́ /L
の53人の子供を対象に、
- 免疫グロブリン (IVIG) 静脈内投与:1 gm/kg/日を2日間連続投与(n=19)
- 経口投与プレドニゾン: 4 mg/kg/日〜(21日) (n=18)
- 無治療(n=16)
のいずれかにランダムに割りつけています。
結果
無治療と比較して、IVIGとプレドニゾンはいずれも、血小板数が≦20×10^9́/Lの日数の中央値は、低い傾向にあった:
- 無治療 4日 [範囲 1〜132]
- IVIG 1日 [範囲 1〜20]
- ステロイド 2日 [1〜11]
血小板数が50×10^9́/L以上になるまでの日数で評価した場合、
- 無治療:中央値16日 [範囲、2~132日]
- IVIG:中央値2日 [範囲、1~34日]
- ステロイド:中央値4日[範囲、2~13日]
と、無治療グループで長い傾向にあった。
結論
急性ITPの小児における頭蓋内出血のリスクは重度の血小板減少症の群で最も高く、血小板数が20×10^9́/L以下の小児に限られるように思われることから、これらの結果は重度のITP(血小板数≦20×10^9) /L)の小児における初期治療としてのIVIGまたは高用量プレドニゾンの使用を支持する。
考察と感想
原著を読み進めていったところ、ステロイドのレジメンは以下の通りでした:
- 1〜7日: 4 mg/kg/日
- 8〜12日:2 mg/kg/日
- 13〜17日:1 mg/kg/日
- 〜21日: 漸減終了
まとめ
今回は、小児のITPにおいて、IVIG、ステロイド、無治療を比較したRCTです。
IVIGもステロイドも血小板数増加に大きな役割を果たしていますが、IVIGのほうが急速に血小板数が増加する傾向にあるようです。
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