今回は、慢性ITPにおいて、脾臓摘出による治療の報告を紹介します。
ITPに対する脾臓摘出はかなり昔から行われていたようでして、おそらくこちらが最初の報告と思われます。
ITPはかつて特発性血小板減少性紫斑病 or 免疫性血小板減少性紫斑病、その後、免疫性血小板減少症と呼び名が変わっています。
研究の概要
背景・目的
慢性ITP (cITP) における脾臓摘出術後の推移を観察した研究です。
結果
個々のデータは原著に記載されているので、そちらを参照されてください。
血小板数の推移をみたところ、以下の図のようになりました。
赤線が手術日です。術後の血小板上昇は劇的なようですね。一方で、ID 1の患者は3ヶ月くらいをめどに、血小板数が1ランクしたに下がっている印象ですね。
考察と感想
1930年代の論文ですね。スウェーデンから報告された論文ですが、中身はドイツ語でした。当時はそういう文化だったのでしょうか。
まとめ
今回は、慢性ITPにおいて、脾臓摘出後の経過をみています。
1930年代の報告で、5例のみですが、貴重な資料であったと思います。
Dr. KIDの執筆した書籍・Note
医学書:小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
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小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
医学書:小児の抗菌薬のエビデンス
こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。
日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
Noteもやっています