ITPの診断は基本は臨床診断ですが、抗血小板関連抗体の存在は、以前から言われています。
今回は、この検査が診断の一助になるか、感度・特異度の観点から見ています。
ITPはかつて特発性血小板減少性紫斑病 or 免疫性血小板減少性紫斑病、その後、免疫性血小板減少症と呼び名が変わっています。
研究の概要
背景・目的
1975年にDixsonは、ITP患者の血小板に対する抗血小板IgGは、正常のヒトより多いことを報告した(定量的補体溶解阻害試験により測定)。
それ以来、血小板関連IgG (PAIgG) はITPの証拠と考えられてきた。
ITP患者由来の血小板は正常コントロールよりも有意に高いPAIgG値を示すが、 PAIgGは免疫ITP患者以外で増加するため特異度が高くはない。
方法
17人の正常コントロールおよび23人のITP患者の血液中の種々の血小板関連免疫グロブリン(IgG, IgM, IgAおよび総免疫グロブリン)を用いて陽性となる割合(%)を分析した。
結果
フローサイトメトリーに関しては、ITP以外では、再生不良性貧血のみが陽性であった。このため、 ITPに対する特異度はELISAよりもフローサイトメトリーで良好であった。
ELISA法では種々の疾患(再生不良性貧血、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群)で陽性となった。
フローサイトメトリー法はITPに対してELISA法と同等の感度を示したが、本研究ではPAIgG陰性患者(n=1)がフローサイトメトリーで陽性であったことから、非免疫性ITPはなかったものと推定される。
結論
フローサイトメトリー法はITPのスクリーニング(特に特異度)において有効であった。
考察と感想
この論文のFigure 2が非常に面白かったです。
疾患グループ(ITP, normal, その他)に分けて、検査結果の分布をみています。
まとめ
今回は、免疫性の血小板減少において、血小板関連抗体を異なる検査で比較してます。
フローサイトメトリー法はITPのスクリーニング(特に特異度)において有効であった。
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