- 子供の便の回数が少ない気がします
- そもそも、1〜4歳くらいの幼児は、便の回数って何回あるものですか?
- 便があまり出ないのですが、大丈夫ですか?
乳幼児は成人ほど排便習慣が確立していないため、排便に関してトラブルが生じることがあります。
例えば、離乳食を開始したとき、トイレトレーニングの開始時期、入園や入学した後に起きやすいと言われています。
排便回数に関して、どのくらいまでが正常で、どこからが異常か、過去のデータを見て見ました。
- 幼児の排便回数を調査した研究
- 1日1〜2回が平均
Archives of Disease in Childhood, 1984, 59, 649-652
1980年代の論文です。
幼児の排便回数の正常はどのくらい?
[少ない、多いの目安]
研究の背景/目的
今回は、幼児350名の排便習慣を調べた。
研究の方法
対象となったのは、Cramlington New Townにある家庭医に訪問した就学前の1〜4歳の小児である。
質問票を用いて、
- 排便回数やタイミング
- 便の量や性状
などを記録してもらい、解析を行った。
さらに、10%の小児をランダムにサンプルし、Carmine (200 mg)を内服させ,、消化管の通過時間を推定した。
研究の結果
幼児のほとんどは、食物繊維の摂取量は少なかった。
1〜4歳児の85%は, 1日に1〜2回の排便であった。
また、この年齢の小児の96%は、1日0.5回〜3回の範囲内にであった。
無作為に選別した35人 (10%) の子供の平均腸通過時間は33時間であった。
排便回数が少ない小児は、通過時間が長く、硬い便および血便を呈する傾向があった。
結論
幼児における排便のパターンを分析した。
考察と感想
便の回数がどのくらいか、真面目に検討した研究があるのですね。
1〜4歳の小児のほとんどは、1日1〜2回程度の排便のようです。また、便の硬さは年齢とともに少しずつ硬くなっていくようですね。
まとめ
今回は、正常な幼児の排便回数についての研究でした。
1〜4歳では、ほとんどの小児は1日1〜2回の排便のようです。
便の硬さは年齢とともに変化していました。
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noteもやっています