- 子供の便の回数が少ないのですが大丈夫でしょうか
- 他の子が1日にどのくらいしているのか知りたいです
乳幼児の排便は、月齢とともに大きく変化します。
例えば、新生児期は1日3ー4回前後が平均と言われ、その後は徐々に減少していき、1歳で1日2回ほど、3−4歳で1日1回くらいに落ち着くのが分かっています。
排便回数に関して、0〜6歳を対象にした過去のデータを参考にしてみました。
- 小児の排便回数を調査した研究
- 生後1ヶ月から3ヶ月に書けて減少傾向
- 粉ミルクの方が緑色便の頻度が多い
Bowel frequency in healthy children. Acta Paediatr Scand. 1989
オランダからの論文です。
乳幼児の排便回数と量はどのくらいが正常なのか?
研究の背景/目的
正常な排便回数に関する知識は不足している。このため小児の正常な排便回数を知ることは、便秘を定義するために役立つと考えられる。
研究の方法
イタリアの6都市で、662人の子供を対象に、排便回数を日記シートで記録した。
研究の結果
個体間には大きなばらつきがあり、年齢とともに排便回数は減少する傾向にあった。
乳児では,母乳栄養の方が人工栄養よりも排便回数が有意に多い。
結論
排便回数は0〜3歳にかけて減少傾向にあり、個人間のばらつきも年齢とともに小さくなる傾向にあった。
考察と感想
かなりあっさりしたアブストラクトですので、一部を補足しましょう。
年齢と排便回数の平均値を載せると、以下の通りとなります:
- 5日〜1ヶ月:2.8回
- 1〜5ヶ月:1.9回
- 5〜12ヶ月:1.9回
- 1〜3歳:1.4回
- 3〜6歳:1.1回
- 6歳〜:1.0回
まとめ
今回は、正常な小児の、0〜6歳までの排便回数についての研究でした。
排便回数は最初の1ヶ月は1日3回、1ヶ月〜1歳は1日2回、3歳以降は1日1回に落ち着く傾向にあったようです。
まとめnoteもあります。
Dr. KIDの執筆した書籍・Note
絵本:めからはいりやすいウイルスのはなし
知っておきたいウイルスと体のこと:
目から入りやすいウイルス(アデノウイルス)が体に入ると何が起きるのでしょう。
ウイルスと、ウイルスとたたかう体の様子をやさしく解説。
感染症にかかるとどうなるのか、そしてどうやって治すことができるのか、
わかりやすいストーリーと絵で展開します。
(2024/11/21 09:53:24時点 Amazon調べ-詳細)
絵本:はなからはいりやすいウイルスのはなし
こちらの絵本では、鼻かぜについて、わかりやすいストーリーと絵で展開します。
(2024/11/21 13:16:41時点 Amazon調べ-詳細)
絵本:くちからはいりやすいウイルスのはなし
こちらの絵本では、胃腸炎について、自然経過やホームケアについて解説をした絵本です。
(2024/11/21 04:17:15時点 Amazon調べ-詳細)
医学書:小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
(2024/11/21 01:00:58時点 Amazon調べ-詳細)
小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
医学書:小児の抗菌薬のエビデンス
こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。
日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
noteもやっています