小児科

NSAIDsはアトピー性皮膚炎などに有効?[ノルウェー編]

現時点ではアトピー性皮膚炎など多くの皮膚疾患での治療の基本は保湿とステロイド外用薬です。

NSAIDsの外用薬が使用されることがあるようですが、きちんとしたエビデンスがあるかを、今回も調べてみました。

マミー
マミー
アトピー性皮膚炎などで使用される外用薬って結局何が良いのですか?

ユーキ先生
ユーキ先生
古くから沢山の研究があります。

Dr.KID
Dr.KID
一緒に見てみましょう。

ポイント

  • デンマークで行われたRCT
  • 接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎を対象に行われた
  • 皮膚所見の改善は、ステロイド、NSAIDs、プラセボの順に良好な結果だったようです。

   1979年に発表されたようです

NSAIDsはアトピー性皮膚炎などに有効?[ノルウェー編]

研究の背景/目的

アトピー性皮膚炎または接触性皮膚炎の患者72人を対象とした二重盲検比較試験が実施された。

研究の方法

参加者は、5%のブフェキサマック、0.1%のベタメタゾンバレレート、またはプラセボクリームのいずれかの治療を受けるように無作為に割り付けられた。

患者は1日2回、2週間クリームを塗布した。

炎症、硬結、苔癬化、痂皮、鱗屑、そう痒症の重症度を治療前と治療後に評価した。

Dr.KID
Dr.KID

研究の結果

大多数の患者において、どちらの活性製剤も皮膚状態の改善に等しく有効であることが示された。

しかし、若い患者では、bufexamacよりもbetamethasone valerateの方が、特にそう痒に関連してやや改善しているようであった。

結論

接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎において、ステロイド外用薬はNSAIDs外用薬と比較して、同等かそれ以上の効果があると示唆された。

考察と感想

小規模なRCTで、年齢の詳細はわかりませんでした。Bufexamacは30人、ステロイド外用は30人、プラセボは12人でした。

実際に3つのグループの合計スコアの改善(〜20)は、以下の通りでした:

  • Bufexamac: 5.6
  • Betamethasone: 6.97
  • プラセボ:4.0

ステロイド外用薬が最も効果があったようですね。

Dr.KID
Dr.KID
スコアは私の方で表から計算しました。

まとめ

この研究では、デンマークで接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎を対象に行われた研究です。

皮膚所見の改善は、ステロイド、NSAIDs、プラセボの順に良好な結果だったようです。

 

アトピー性皮膚炎のおすすめ本はこちら:

created by Rinker
内外出版社
¥1,650
(2024/11/22 18:29:38時点 Amazon調べ-詳細)

保護者も医療者も、まずこの1冊!

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2024/11/23 01:18:29時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

 

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

 

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。