今回は、PICCの留置と合併症に関してです。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:PICCの留置と合併症
- 経口スイッチが可能な状況なら切り替えて、IVの長期投与は避ける
American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely
経口薬への移行が可能な小児の感染症には、末梢挿入型中心カテーテルの留置や長期の静脈内抗生物質の使用をしない[Choosing wisely]
Don’t place peripherally inserted central catheters and/or use prolonged IV antibiotics in otherwise healthy children with infections that can be transitioned to an appropriate oral agent.
Peripherally inserted central catheters (PICC) are often used for children requiring long-term intravenous antibiotics. The most common infections for which PICCs are placed in children, however, respond well to orally administered antibiotics after a brief course of intravenous therapy. Following hospital discharge, up to 40% of children with PICCs will return to the emergency department with a PICC complication. Studies of children with complicated pneumonia, ruptured appendicitis, and osteomyelitis have demonstrated that, compared with oral conversion prior to hospital discharge, extended intravenous therapy with a PICC does not improve clinical cure rates but is often associated with PICC line complications.
適切な経口薬への移行が可能な健康な小児の感染症には、末梢挿入型中心カテーテル(PICC)の留置や長期の静脈内抗生物質の使用をしない。
末梢挿入型中心カテーテル(PICC)は、長期の静脈内抗生物質投与を必要とする小児によく使用されます。
しかし、小児にPICCを留置する最も一般的な感染症は、短期間の静注療法の後、経口での抗生物質投与によく反応することがあります。
退院後、PICCを装着した小児の最大40%がPICCの合併症で救急外来を受診すると言われています。複雑な肺炎、虫垂炎破裂、骨髄炎の小児を対象とした研究では、退院前の経口変換と比較して、PICCを用いた長時間の静脈内治療は臨床的治癒率を向上させないが、PICCラインの合併症を伴うことが多いことが示唆されています。
考察と感想
PICCの留置と合併症に関する内容ですね。留置する際に合併症の配慮が必要というのはその通りと思います、
参考文献も読んでみようと思います:
Ruebner R, Keren R, Coffin S et al. Complications of central venous catheters used for the treatment of acute hematogenous osteomyelitis. Pediatrics. 2006 Apr;117(4):1210-5.
Kovacich A, Tamma PD, Advani S, et al. Peripherally Inserted Central Venous Catheter Complications in Children Receiving Outpatient Parenteral Antibiotic Therapy (OPAT). Infect Control Hosp Epidemiol. 2016 Apr;37(4):420-4. doi: 10.1017/ice.2015.317. Epub 2016 Jan 12.
Keren R, Shah SS, Srivastava R et al. Comparative effectiveness of intravenous vs oral antibiotics for postdischarge treatment of acute osteomyelitis in children. JAMA Pediatr. 2015 Feb;169(2):120-8. doi: 10.1001/jamapediatrics.2014.2822.
Rangel SJ, Anderson BR, Srivastava R, et al. Intravenous Versus Oral Antibiotics for the Prevention of Treatment Failure in Children With Complicated Appendicitis: Has the Abandonment of Peripherally Inserted Catheters Been Justified? Ann Surg. 2016 Jul 15. [Epub ahead of print]
Shah SS, Srivastava R, Wu S, et al. Intravenous Versus Oral Antibiotics for Postdischarge Treatment of Complicated Pneumonia. Pediatrics. 2016 Dec;138(6). pii: e20161692. Epub 2016 Nov 17.
まとめ
今回は、PICCの留置と合併症に関するに関するchoosing wiselyをご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
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Dr. KIDの執筆した書籍・Note
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また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
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