今回は、自己免疫疾患による慢性的な疼痛管理としてのオピオイドに関してです。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:自己免疫疾患による慢性的な疼痛管理としてのオピオイド
- 慢性的な管理を目的として使用は避ける
American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely
小児の自己免疫疾患による慢性的な疼痛管理にオピオイドを使用しない[Choosing wisely]
Do not prescribe opioids for chronic pain management in patients with autoimmune disease.
Opioids are generally acceptable in pediatric medicine for short-term pain control associated with surgery or trauma. They are not recommended for treatment of chronic pain. Research has shown morphine and similar medications are not superior to ibuprofen and have significantly more adverse effects, e.g. opioid dependence and withdrawal symptoms. Adverse effects may occur after as few as 5 days of use. Use of opioids for medical purposes in adolescence also increases the risk for long-term use and misuse in adulthood. Opioids do not reduce inflammation from active arthritis and should be reserved for short-term use in cases of severe pain secondary to joint damage. Long-term pain control should be addressed with a multidisciplinary approach combining pharmacologic, behavioral, and exercise-based modalities.
小児の自己免疫疾患による慢性的な疼痛管理にオピオイドを使用しない。
オピオイドは、小児医療において、手術や外傷に伴う短期的な痛みのコントロールには一般的に受け入れられます。慢性疼痛の治療には推奨されません。
モルヒネや類似の薬はイブプロフェンよりも優れておらず、オピオイド依存や離脱症状などの副作用が著しく多いことが研究で示されています。
副作用は、わずか5日間の使用でも発生する可能性があります。
また、思春期に医療目的でオピオイドを使用すると、成人期になってからの長期使用や誤用のリスクが高まります。オピオイドは、活発な関節炎による炎症を抑えることはできないので、関節の損傷による二次的な重度の痛みがある場合に短期的に使用するにとどめておくべきです。
長期的な痛みのコントロールには、薬理学的、行動学的、運動学的な方法を組み合わせた集学的なアプローチで取り組むべきです。
考察と感想
自己免疫疾患による慢性的な疼痛管理としてのオピオイドに関してでした。
慢性的な仕様については依存性や離脱時の症状など、様々な問題があるというのは、その通りと思います。あとは、元疾患のコントロールも重要なのでしょう。
参考文献も読んでみようと思います:
Eccleston C, Cooper T, Fisher E, Anderson B, Wilkinson N. Non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) for chronic non-cancer pain in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev. 2017;2(8).
Galinkin J, Koh J, Committee on Drugs, Section on Anesthegiology and Pain Medicine, American Academy of Pediatrics. Recognition and management of iatrogenically induced opioid dependence and withdrawal in children. Galinkin J, Koh JL; Committee on Drugs; Section on Anesthesiology and Pain Medicine; American Academy of pediatrics. Pediatrics. 2014;133(1):152-155.
Gmuca S, Sherry D. Fibromyalgia: Treating Pain in the Juvenile Patient. Paediatr Drugs. 2017;19(4):325-338.
Miech R, Johnston L, O’Malley P, Keyes K, Heard K. Prescription Opioids in Adolescence and Future Opioid Misuse. Miech R, Johnston L, O’Malley PM, Keyes KM, Heard K. Pediatrics. 2015;136(5):e1169-e1177.
Poonai N, Datoo N, Ali S, et al. Oral morphine versus ibuprofen administered at home for postoperative orthopedic pain in children: A randomized controlled trial. CMAJ. 2017;10(189(40)):E1252-E1258.
まとめ
今回は、小児の自己免疫疾患による慢性的な疼痛管理としてのオピオイドに関するchoosing wiselyをご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
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