今回は、乗り物酔いの治療薬として、どのような組み合わせが、最も副作用が少ないか検討した研究となります。
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- 異なる酔い止めの薬剤の組み合わせを使用し、使用後の操作パフォーマンスを計測し比較した。
- 特定の用量および組み合わせの乗り物酔い予防薬は、オペレーションの能力を損なうことなく使用できることを示すものである。
Wood CD, Manno JE, Manno BR, Redetzki HM, Wood MJ, Mims ME. Evaluation of antimotion sickness drug side effects on performance. Aviat Space Environ Med. 1985 Apr;56(4):310-6. PMID: 3888169.
1985年に中国から公表されたようです。
乗り物酔いの治療薬として、どのような組み合わせが最も副作用が少ないか?[アメリカ編]
研究の背景/目的
本研究では、被験者間で操作パフォーマンスと高い相関があるコンピューター追跡計を使用し、乗り物酔いの予防薬を比較した。
研究の方法
- d-アンフェタミン
- プロメタジン
- スコポラミ
- マレジン
- メクリジン
- ジメンヒドリナート
など異なる薬剤の組み合わせを使用し、使用後の操作パフォーマンスを計測し比較した。
研究の結果
「d-アンフェタミン10 mgと5 mg」、「プロメタジン25 mgとスコポラミン0.4 mgとd-アンフェタミン10 mgの併用」、「スコポラミン1 mgとd-アンフェタミン10 mgの併用」で、追跡計タスクの熟練度はプラセボより改善された。
「スコポラミン単独:0.25mg、0.5mg、0.6mg」、「マレジン50mg」、「メクリジン50mg」、「ジメンヒドリナート50mg」を用いた比較では、プラセボのスコアと有意差はなかった。
また、「スコポラミン1mgとd-アンフェタミン5mgの併用」、「プロメタジン25mgとd-アンフェタミン10mg」の併用も同様であった。
「スコポラミン1mgまたは0.8mg」、「プロメタジン25mg経口または25mg静脈注射」で、統計的に有意な成績の低下がみられた。
「プロメタジン25mgとスコポラミン0.4mg」、および「プロメタジン25mg経口投与と25mg静脈注射とd-アンフェタミン10mgの組み合わせ」も、プラセボと比較して有意な得点減少がみられた。
結論
これらの結果は、特定の用量および組み合わせの乗り物酔い予防薬は、オペレーションの能力を損なうことなく使用できることを示すものである。
考察と感想
かつて、乗り物酔いに対しては「スコポラミンとD-アンフェタミンの併用がよい」とする論文がいくつかみかけましたが、その根拠となる論文の1つかもしれません。
ただしアンフェタミンは乱用のリスクがあるため、現在では使用されていません。
まとめ
異なる酔い止めの薬剤の組み合わせを使用し、使用後の操作パフォーマンスを計測し比較した。
特定の用量および組み合わせの乗り物酔い予防薬は、オペレーションの能力を損なうことなく使用できることを示すものである。
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