Fortenberry JD, Mariscalco MM, Louis PT, Stein F, Jones JK, Jefferson LS. Severe laryngotracheobronchitis complicating measles. Am J Dis Child. 1992 Sep;146(9):1040-3.
麻疹と重篤なクループについて[アメリカ編]
研究の背景/目的
はしか流行期間中に入院した患者における重篤な喉頭気管支炎の発生率を決定し、気道損傷の重症度とその管理に関連する要因を評価する。
研究の方法
この研究では、テキサス州ヒューストンにある小児病院と郡総合病院で行われた、はしかと診断された124人の子供たちを対象とした患者シリーズの臨床記述です。対象患者は1か月から19歳までの幅広い年齢層で行われました。
研究の結果
124人のうち、27人の患者が重篤な喉頭気管支炎を患っており、そのうち10人は適切な予防接種を受けていなかった。上気道閉塞の緩和のために6人が気管内挿管を必要とした。
挿管が必要だった患者の中央年齢は12か月(範囲4~24か月)。2人の患者が重症感染症の合併症で死亡した。
2人の患者は生き残ったが、長期間の挿管を必要とした。2人の患者は早期の診断的喉頭鏡検査と気管支鏡検査を受け、より短期間の人工気道維持が必要だった。
結論
重篤な喉頭気管支炎は、はしかで入院している2歳未満の患者に頻繁に発生し、細菌性またはウイルス性の重症感染症に関連している可能性がある。
考察と感想
研究対象が1か月から19歳までの124人の子供たちであることから、はしかの影響が幅広い年齢層に及ぶことが分かります。これは、はしかの流行がさまざまな年齢の子供たちに影響を与える可能性を示唆しています。
研究によると、重篤な喉頭気管支炎は特に2歳以下の子供たちに頻繁に発生するとされています。これは、小さな子供たちがはしかの重症な合併症に特に脆弱であることを示しています。
本文をよく読んでみると、研究機関に1118人が麻疹にかかり、137人が入院、そのうち124人のカルテレビューが行われ、27人が重篤な喉頭気管気管支炎を起こし、10名が挿管がされ、2名が死亡したとのことです。
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