今回はアメリカとカナダ小児科学会の推奨を見てみましょう。これらの学会はトイレトレーニングに関して一定の見解を述べています。
様々な方法が世の中に蔓延っており、どれを選んだら良いか悩まれる方もいるかもしれません。上述の学術団体が提唱しているものを基本に、あとはそれぞれのご家庭でアレンジされても良いかと思います。
トイレトレーニングに絶対の方法はありませんので、ご家庭の事情やお子さんの特徴に合わせる柔軟さも重要です。
- アメリカとカナダの小児科ガイドラインを参照
- どちらも18~24ヶ月以降のトイトレを推奨
- まずはトイトレができそうか確認
- 嫌がる場合は無理せず、一旦中断することも大事
- トイトレは唯一の正解があるわけではない
研究の方法
米国小児科学会とカナダ小児科学会も似たようなトイレトレーニングガイドラインを発表しています。
トイレトレーニングのアプローチを支持するエビデンスは不十分ですが、両ガイドラインは以下の方法を推奨しています:
- 子供向けアプローチ(Child-oriented approach)
- 18か月まではトイトレを始める準備が身体的にできていない
- 子供がトイトレのプロセスに興味を示している
また、これらの学会は、おまるや補助便座の利用も促進しています。
子供用の小さなトイレにすることができますし、何よりトイレに落ちる恐怖心が和らぎます。
さらに、カナダ小児科学会は、トイレトレーニングをより快適にし、小児をより安全で安定した気分にするために、踏み台の使用を推奨しています。
どちらのガイドラインも、「トイレトレーニングは型にはまったものではなく、子どもの特徴に合わせなければならない」と述べています。
アメリカ小児科学会の推奨
アメリカ小児科学会(AAP)のガイドラインは、トイレトレーニングに対する子供中心のアプローチを強く推奨しています。
子供が行動的、発達的、情緒的に始める準備ができるまで、親はトイレトレーニングを初めてはいけないとしています。
本ガイドラインでは、12カ月から18カ月の健診時に、親と小児科医がトイレトレーニングの方法について、話し合うことを推奨している。
2歳の健診で、小児科医は子供と親の準備ができているかどうかを評価するようにも推奨しています。
AAPのトイトレ法
トイレトレーニングの最初のステップは、おまるや補助便座を導入し、子どもが衣服を着たまま、その上に座らせることです。
時に、おまるに排泄物を入れて、目的を説明することもできます。
その後、排尿が予想される特定の時期に小児をおまるや補助便座に座らせ、親が何が起こっているか説明すると良いでしょう。
オマルチェアの使用が成功した後は、正の補強(褒める・報酬を与える)を行うべきである。
うまくいかなかった時
トイレトレーニングがうまくいかなかったり、親子関係が安定していない場合は、一時的にトイレトレーニングをやめましょう。
まずは、親子関係を修復することに集中し、楽しい活動に参加し、信頼と協力を取り戻すことをAAPは推奨しています。
夜間の排尿と排便のコントロールができるようになるには、数カ月から数年かかります。
小児が学童期で定期的におねしょをする場合は、専門家の支援を求めるべきである。
カナダ小児科学会の推奨
カナダ小児科学会(CPS)のガイドライン
カナダ小児科学会(CPS)のガイドラインでは、子ども中心のトイレトレーニング方法が推奨されている。
CPSのガイドラインでは、トイレトレーニングを開始すべき正確な年齢は記載しておらず、夜間の排尿コントロールを確立するには数カ月から数年かかることの2点を強調しています。
トイトレの準備
1歳時健診において、医師は親にトイレトレーニングの過程について教育を開始すべきと考えられています。
トイトレの準備ができているかは、生後約18カ月時に評価します。
トイトレの準備が整ったことを示す徴候には、
- トイレまで歩く
- トイレに安定して座る
- 数時間は排尿せずにいられる
- 簡単な指示に従う
- 排尿の必要性を理解できる
- 保護者を喜ばせたい兆候がある
- トイレの訓練に対して意欲がある
などがある。
トイトレの準備ができてきたら
児がトイレトレーニングの準備ができている徴候を示したら、完全に服を着たままオマル椅子に座らせます。
次に、排尿後に児をおまるの上に乗せ、その後、1日を通して数分間おまるの上に座らせる準備をします。
さらに、起きたとき、食事の後、寝る前など、特定の時間におまるに乗せます。
それぞれの段階で、子供は物質的な報酬ではなく、励ましや心理的な支援を介して行うように推奨しています。
時に失敗してしまうことがありますが、支援的で忍耐強くトイトレを行うべきでしょう。
トイトレがうまくいかなかったら
トイレトレーニングがうまくいかない場合、子供が心理的にトレーニングを受ける準備ができていないことが原因である可能性が高いです。
この場合、トイレトレーニングを再開するまで、1~3カ月はおむつをつけたままにしておきます。
何度も試みてもうまくいかなかったり、4歳までにトレーニングに抵抗し続ける場合は、親は一般の小児科医あるいは発達を専門にする小児科医にご相談しましょう。
感想と考察
アメリカとカナダのガイドラインでは、「Child Oriented Method(子供中心の方法)」を推奨しています。
また、「トイトレには唯一の正解があるわけではない」と述べている点も印象的ですね。
まとめ
今回はアメリカとカナダの小児科学会のガイドラインを参考に、トイレトレーニングについてみてみました。
どちらの学会も似たような方針で、子供を中心としたアプローチを推奨しており、ある程度の参考にはなるかと思います。
トイトレには唯一の正解があるわけではない点は留意しましょう。
- アメリカとカナダの小児科ガイドラインを参照
- どちらも18~24ヶ月以降のトイトレを推奨
- まずはトイトレができそうか確認
- 嫌がる場合は無理せず、一旦中断することも大事
- トイトレは唯一の正解があるわけではない
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