今回は、JIAやSLEにおいて抗核抗体陽性を認めた患者における繰り返し検査に関するchoosing wiselyをご紹介します。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:JIAやSLEの確定症例のフォローでのANAに関して
- 抗核抗体(ANA)陽性が確認された場合は、再度検査を行わない
American College of RhaumatologyからのChoosing Wisely
JIAや全身性エリテマトーデス(SLE)の患者では、抗核抗体(ANA)陽性が確認された場合は、再検査を行わない[Choosing wisely]
Don’t repeat a confirmed positive ANA in patients with established JIA or systemic lupus erythematosus (SLE).
ANA is important in the diagnosis of SLE and positivity guides more frequent slit lamp examination for detection of uveitis in children with JIA. Beyond this, there is no evidence that ANA is valuable in the ongoing management of SLE or JIA. It is recommended that following diagnosis of SLE or JIA, ANA should not be repeated unless a child with JIA has evolution of symptoms suggestive of an autoimmune connective tissue disease.
JIAや全身性エリテマトーデス(SLE)の患者では、抗核抗体(ANA)陽性が確認された場合は、再度検査を行わない。
ANAはSLEの診断に重要です。また、JIAの小児でANAが陽性であれば、Jブドウ膜炎の検出のために、より頻繁にスリットランプ検査を行うことができます。
それ以上に、SLEやJIAの継続的な管理においてANAが有用であるという証拠はありません。
SLEやJIAの診断後、自己免疫性結合組織疾患を示唆する症状が進行していない限り、ANA検査を繰り返すべきではありません。
考察と感想
SLEやJIAにおける抗核抗体検査の意義について解説されたものでした。
SLEにおいて抗核抗体は感度が比較的高く、JIAの一部のタイプでは抗核抗体陽性だとぶどう膜炎を起こしやすいのは有名で、定期的な眼の検査が必要なのはよく知られています。
まとめ
今回は、JIAやSLEにおいて抗核抗体陽性を認めた患者における繰り返し検査に関するchoosing wiselyをご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
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