以前、トイトレの方法をいくつか紹介してきました。
Azrin & Foxx法(以降、Azrin法)とSpock法についての個々の解説はこちらです:
個々のトイレトレーニング法(トイトレ)を比較した研究は少なからずあるようですので、今回もご紹介させていただければと思います。
- Azrin法とSpock法を比較したRCT
- Azrin法の方が、成功率が高いかもしれない
Candelora K. An evaluation of two approaches to toilet training normal children. Diss Abstr Int 1977;38(5-B).
研究の方法
今回は、1977年に行われたランダム化比較研究で、対象となったのは、
- 18-35ヶ月
- 生来健康
な小児71人が該当しています。
介入について
介入は、
- Azrin法
- Foxx法
のいずれかをランダムに投与しています。
アウトカムについて
アウトカムに関しては、
- 失敗の回数(尿・便を漏らしてしまった)
- 成功の回数
- 夜間に尿を漏らす割合
を見ています。
研究結果と考察
結果は以下のようになりました:
失敗回数の減少
Azrin | Spock | |
治療前→治療後 | 2.48 | 1.37 |
追跡期間 | 0.70 | 0.52 |
合計 | 3.17 | 2.50 |
トイトレを失敗して、尿や便を漏らしてしまう回数の減少を比較していますが、Azrin法の方が失敗回数の減少は大きかったです。つまり、Azrin法の方が、失敗を回避できるかもしれないという結果です。
成功回数の増加
逆の視点で見てみましょう。つまり、成功回数の増加については以下の通りでした:
Azrin | Spock | |
治療前→治療後 | 2.50 | 1.12 |
追跡期間 | 0.87 | 0.79 |
合計 | 3.37 | 1.90 |
成功回数はAzrin法の方が改善する回数が多そうな印象を受けるデータですね。
おねしょの回数
最後に、朝におねしょをしているのに気づく割合の減少率も比較しています。
Azrin | Spock | |
治療前→治療後 | 21% | 6% |
追跡期間 | 10% | 9% |
合計 | 31% | 15% |
Azrin法の方が、おねしょの割合が減っている印象を受けるデータですね。
感想と考察
今回の研究は、Azrin法とSpock法を比較した研究でした。
どうやら、この研究ではAzrin法の方に軍配が上がっていそうな印象を受けるデータです。
現代では、Child Oritented法が主流で、これがAzrin法と比べてどうなのか、気になしますね〜
まとめ
今回は、Azrin法とSpock法という異なるトイレトレーニングの手法を比較した論文を解説しました。
Azrin法の方が、やや成績が良さそうな印象を受けるデータです。
一方で、現代ではこれらの方法は主流ではなく、Child Oriented法との比較も気になるところです。
- Azrin法とSpock法を比較したRCT
- Azrin法の方が、成功率が高いかもしれない