書評

[読書日記] 2020年8〜9月に読んだ書籍 [Dr. KIDの本棚]

毎月更新の予定でしたが、8月は忙しくてすっかり忘れてしまいました。

8−9月に読んだ本は以下の通りです:

  •  内科診療 ストロングエビデンス
  •  人生 で一番大事な最初の1000日の食事
  •  勝つ投資・負けない投資
  •  10万円から始める!割安成長株で2億円

ちょっと俗な本が多くてすみません。あくまで趣味で読んでいるだけですので、ご容赦いただければと思います。

医学書

内科診療 ストロングエビデンス

医学界新聞での連載から書籍化された本のようです。

●「学ぶ」EBMから、「使う」EBMへ!
週刊医学界新聞の好評連載「レジデントのためのEvidence Based Clinical Practice」をグレードアップして書籍化。
新進気鋭の米国内科専門医が、コモン・ディジーズの標準治療と、その根拠を支える重要な臨床研究を紹介する。
「すべての医療行為はエビデンスに基づいた標準治療を理解していることから始まる」(本書序文より)。
米国流内科診療アプローチの真髄がここに!

●ジェネラリストなら知っておきたい「エビデンスに基づく標準治療」【本書より】
*高血圧治療において、ACE阻害薬よりもARBを選択する積極的な理由は見当たらない。
*2型糖尿病の第1選択薬はメトホルミン(使用できない状況を覚えておく)。
*入院中の高血糖はRABBIT-2プロトコールを用いて管理する。
*脂質異常症で各スタチンの用量とLDLの低下の関係はSTELLARで示された。
*急性心不全は収縮期血圧をベースにした治療戦略(CS1~5)の選択が理にかなっている。
*TIA発症後の脳梗塞発症リスク評価はABCD2スコア(c-statistics 0.72)を用いる。
*関節リウマチにおいてNSAIDsからステップアップしていく治療戦略は、抗リウマチ薬の早期導入に比較して有意に劣るため推奨されない。
(Amazonのサイトより引用)

実は、この連載は研修医時代に楽しみに読んでいた記憶があります。

当時は内科の知識は皆無で、かといってエビデンスを元に解説した本は自分はしらず、すがるような気持ちでした。
様々な文献を引用して、理路整然とエビデンスをもとに記載されており、とても感銘を受けました。

そんなわけで、かなり懐かしい気持ちで読んでみました。

私には、この本の内容のエビデンスがまだ使えるものなのか、古いのか、内容の妥当性の判断はできないですが、スタイルは良いなーと思いました。

最初の見開きページにまとめがあり、それを中心にエビデンスが述べられています。
この見開きページにメモを取りながら読んでいくと、臨床現場で使用できるメモになりそうな印象です。

こんな書籍、小児科でもあればなーと思いました。
「小児科診療 ストロングエビデンス」w

一般書

人生で一番大事な 最初の1000日の食事
「妊娠」から「2歳」まで、「赤ちゃんの食事」完全BOOK

ちょっと煽り気味のタイトルで、最初は「この本、大丈夫かな!?」というのが感想でした。

監修者より:科学的根拠に基づく信頼できるアドバイス
はじめに:世界的研究でわかった「すべての親に知ってほしいこと」
第1章:最初の1000日で一生の食べ方が決まる――最高の食のサイクルをつくる
Part 1:「妊娠」したら何を食べればいい?
第2章:「お腹」にいるとき――赤ちゃんは羊水で好みを覚える
Part 2:「授乳」はどうすればいい?
第3章:「母乳」を与える──母乳のいいところ、不安なところ
第4章:「粉ミルク」を与える──粉ミルクにもメリットがある
第5章:赤ちゃんの「パターン」をつかむ――いつ、どれだけあげればいい?
Part 3:「離乳食」は何を与える?
第6章:「いつ」はじめる?──赤ちゃんはこんな合図を出してくれる
第7章:「どう」食べさせる?──4原則でうまくいく
第8章:「好み」をセットする──甘い果物は「後」にする
第9章:離乳食の「ルール」を守る──いい食習慣を定着させる
Part 4:「幼児」になったら何を与える?
第10章:最高の「栄養」をとる──子どもは何を食べるべき?
第11章:健康な「食習慣」を身につける──子どもはどう食べるべき?
おわりに――気づいたときからはじめればいい
[内容(「BOOK」データベースより)]
健康、好き嫌い、肥満、アレルギー―人生は受胎から1000日に口にしたもので決まる!「妊娠」したら何を食べる?「肥満」にしないには?「アレルギー」の気をつけ方は?「離乳食」は何をどう与える?「母乳」か「粉ミルク」か、どうする?これ1冊で全部安心!史上最大の赤ちゃんの食の研究でわかった「最もいい食べ方」!全親必携!
[著者について]
クレア・ルウェリン(Dr. Clare Llewellyn)
オックスフォード大学卒。乳幼児の食欲と成長についての遺伝疫学の研究で博士号を取得。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン准教授。同大学公衆衛生学部疫学・保健研究所の行動科学・健康部門において肥満研究グループを率いる。人生の最初の瞬間からの摂食行動を探求するため、史上最大の双子研究「ジェミニ」に参加。また、子どもの食に関して70以上の科学論文を発表。英国王立医学協会ほか、世界中で40以上の招待講演を行っている。英国肥満学会、欧州肥満学会、米国肥満学会などの研究機関から多数の国際的な賞を受賞している。

ヘイリー・サイラッド(Dr. Hayley Syrad)
心理学者。2007年にサウサンプトン大学で心理学学士号を、2016年にユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの保健行動研究センターで行動栄養学の博士号を取得。乳幼児が「何をどう食べるか」に関して食欲の役割に焦点を当てて研究。幼児と幼児の摂食行動について、多数の記事を執筆、注目を集めている。

内容に関しては、小児の疫学や心理学に従事しているイギリスの研究者が執筆した本の翻訳本です。

まず驚いたのは文献の量の多さ。一体、いくつあるんだという量です…。
小児の栄養を書いた一般書で、ここまで文献を豊富に引用された書籍はみたことがないです。

内容も、著者らの行った研究や、代表的な論文をもとに書かれた硬派な本と思います。
ひょっとしたら、一般の方が読むと難しく感じる場所があるかもしれません。
各章の最後には、まとめもあり、頭の整理にはよいかもしれませんね。

論文の内容と著者らの記載が一部合致していなかったり、やや論理が飛躍しているのではないかと思われる箇所も複数ありました。
原著からの翻訳の過程で生じてしまったのか、あるいは著者らの意図なのかは不明ですが、その点を差し引いても良い本と思います。

離乳食の本は世の中にはたくさんあります。
たとえ小児科医であっても、系統的に離乳食や栄養学、栄養疫学を学んだ医師は少なく、怪しい本も沢山あります。

本書は、一般の方だけでなく、小児に関わる医療者も読むべき本と思います。
小児科医も、こういった栄養を専門に研究している方々の話に、耳を傾ける機会があってもよいと思います。

私は、この本で引用された文献をもとに、小児の栄養の勉強をしています。

趣味の本

勝つ投資・負けない投資

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<目次抜粋>

はじめに 小松原周

序章 投資家になるということ
バイトで貯めた65万円を握りしめて
行きがかりでなったファンドマネージャー
個人投資家の強みを生かした投資を
機関投資家の制約
あなたの投資手法は株を始める前から決まっている
投機家ではなく投資家になろう

第1部 勝つ投資編 ・・・・・・ 個人投資家 片山晃(五月)

第1章 デイトレはそろそろ限界かもしれない
右も左もわからなかったデイトレ時代
デイトレーダーとしての限界
割安株投資に活路を見出す
時間も情熱もかけられない人が取るべき手法とは

第2章 株式投資で勝つための銘柄選別法
低PERや低PBRで買っても大きなリターンは得られない
投資で最も大事なのは「変化」と「想像力」
数字の先にあるストーリーを見る
なぜ中小型株に投資するのか

第3章 買い方、売り方、見分け方のポイント
投資で利益が得られる3つのパターン
「いつか上がる」ではなく、「いつ上がるか」
アイデアを多数持つことで塩漬けを回避する
チャンスは平等にはやってこない
自信を積み上げて勝負する
なんのために投資をしているのか

第2部 負けない投資編 ・・・・・・ 機関投資家 小松原周

第4章 株式投資のキホン
マーケットが暴落しても心配ない投資とは?
株価が何からできているかをご存じですか?
理論株価は簡単に計算できる
株式とは何でしょう?
「投機」と「投資」の違いとは?
リスクとリターンのバランス感覚
大化けする銘柄が眠る場所
マクロデータは実はあまり重要ではない

第5章 プロはこうして銘柄を選ぶ
メガトレンドを探せ!
投資したくなる会社とは?(社長編)
投資したくなる会社とは?(組織編)
投資したくなる会社とは?(ビジネス編)
投資アイデアの発見
伸びる会社のサイン
伸びない会社のサイン

第6章 ポートフォリオの組み方と勝つ投資家のメンタル
安く株を買う
エントリーのポイント
1 ドルコスト平均法を用いる
2 テクニカル分析を使う
移動平均/一目均衡表/RSI
お勧めは長期投資
ポートフォリオの基本
リターンを大きくするポートフォリオづくり
勝てる投資家のマインドセット
お金の価値と人生の価値

あとがき ~投資の魅力とは~ 片山晃 (五月)

個人投資家の有名人、片山晃さんの本を読んでみました。

ZeppyのYouTube投資チャンネルで投資家としての経歴やメンタルを3回に分けて語られていて、興味があったので読んでみました。かなり切れ味鋭いキャラですね。

集中投資で一気に資産を増やすやり方、かなり確信と信念がないと貫けない方法と思いました。投資のイロハを教えてくれる本というより、偉大な投資家がどのような向き合い方をしているのかを中心に述べられていました。

10万円から始める! 割安成長株で2億円

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ダイヤモンド社
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正真正銘のビギナー投資家が
生涯賃金2億円を貯めた
最小の労力で資産を増やす最強投資術!

――入社3年目。貯金100万円を元手に、
40歳をちょっと過ぎるまでには、
株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。

とはいえ、投資はまったくの素人。
完全に知識ゼロの状態だった。

日中は営業職のサラリーマンとして忙しく働きながら、
株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。
最初は短期売買を繰り返して失敗したが、
そこでもっと落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、
勝ちパターンが見つかった。

年利回り30%をキープして資産を増やし、
当初の計画を前倒しで2019年、ついに資産2億円達成!

その手法は、元本を増やし続け、その間の追加入金ゼロと、堅実&着実!
ビジネスパーソンはもちろん、
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[内容(「BOOK」データベースより)]
正真正銘のビギナー投資家が生涯賃金2億円を貯めた最小の労力で資産を増やす“手抜き投資術”とは?
[著者について]
弐億貯男(におく・ためお)
現役サラリーマン投資家。投資経験ゼロの初心者ながら、入社3年目に株式投資で生涯賃金2億円を貯めることを決意。忙しい営業職でも実践しやすい割安成長株の中長期投資で、年率30%キープという驚異的なパフォーマンスを発揮。みるみる資産を増加させて計画前倒しで目標達成。Twitter(弐億貯男@2okutameo:6.3万フォロワー)、ブログ「サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみました。」(ライブドアブログ「金融・株式」カテゴリ1位)と注目を集める。生涯賃金2億円はゲットしたが、会社員には社会性が養われ、安定収入を得られるメリットもあり、とりあえずサラリーマンを続けつつ、資産増加中。2020年現在44歳。

Twitter上で話題になっていたので、購入してみました。

サラリーマン として勤務しながら、割安・小型銘柄に集中投資をし、大きなリターンを得た方の本です。

忙しい医師でも、この方の手法は応用可能では!?と思いました。ブログも書かれているようなので、どのような銘柄を購入されているのかも参考になります。

私も、かぶ1000さんや弐億貯男さんの手法や銘柄は非常に参考にさせていただいています。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。