- 子供の便の回数が少ないのですが大丈夫でしょうか
- 他の子が1日にどのくらいしているのか知りたいです
乳幼児の排便は、月齢とともに大きく変化します。
例えば、新生児期は1日3ー4回前後が平均と言われ、その後は徐々に減少していき、1歳で1日2回ほど、3−4歳で1日1回くらいに落ち着くのが分かっています。
排便回数に関して、0歳を対象にした、日本のデータを参考にしてみました。
- 小児の排便回数を調査した研究
- 生後1ヶ月から3ヶ月に書けて減少傾向
- 最初の3ヶ月は、粉ミルクの方が排便回数が少ない
Bowel frequency, Constipation, Infants, Children. Jpn.J.Pediatr.Surg,40(2);142~145, 2008.
日本からの論文です。
乳児の排便回数は、月齢とともに少なくなっていく[日本編]
研究の背景/目的
乳児の正常な排便回数を調査した。
研究の方法
健康な乳児206例を対象に, 1, 3, 6, 9か月健診時および1歳健診時の排便回数を調査した。
研究の結果
生後1ヶ月時点での排便回数の平均は4.84回で、1歳時点では1.8回まで減少した。
同時に便秘と診断された1058名の患者のほとんどは自然治癒し, 便秘の患者数は子供の成長と共に減少した。
重度の便秘の一部は, さらなる治療のために小児外科医に紹介された。
結論
日本人小児便秘症の診断と治療ガイドラインを作成するためには,さらなる大規模研究が必要である。
考察と感想
2008年時点の論文ですので、まだ便秘症のガイドラインがなかったため、このような結論になっています。現在は、便秘症のガイドラインが作成されています。
WebPlotを使って1日当たりの排便回数平均値を読み取ると、以下のようなデータでした:
月齢 | 全体 | 母乳 | 混合 | ミルク |
1 | 4.8 | 6.1 | 2.3 | 3.9 |
3 | 2.2 | 2.9 | 1.3 | 1.4 |
6 | 1.8 | 1.8 | 2.1 | 1.4 |
9 | 1.8 | 1.6 | 1.7 | 2.1 |
12 | 1.8 | 1.6 | 1.9 | 1.5 |
まとめ
今回は、正常な小児の、1〜12ヶ月までの排便回数についての研究でした。
排便回数は最初の1ヶ月は5回前後ですが、1歳になる頃には1日2回前後に落ち着くようです。
まとめnoteもあります。
Dr. KIDの執筆した書籍・Note
医学書:小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
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小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
医学書:小児の抗菌薬のエビデンス
こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。
日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
noteもやっています
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