この研究は、朝に摂取されたカフェインが夜間の睡眠と脳波(EEG)パワースペクトルに与える影響を調査しています。
朝のカフェイン摂取(200mg)が夜間の人間の睡眠とEEGパワースペクトルに与える影響
研究の背景/目的
アデノシンは、睡眠傾向の生理的調節に関与しているとされています。
アデノシン受容体拮抗剤であるカフェイン(100mg)が、夜間の睡眠エピソードの直前に投与されると、睡眠効率の低下、低デルタ周波数のEEGパワー密度の低下、および睡眠スピンドルの周波数範囲のパワー密度の増加という形で睡眠傾向を低下させることが以前に示されています。
研究の方法
睡眠調節におけるアデノシンの役割をさらに調査するために、午前7時10分に200mgのカフェインを9人の健康な男性に投与し、その後の夜間睡眠中の睡眠ステージとEEGパワースペクトルを分析しました。
研究の結果
唾液中のカフェイン濃度は、摂取後1時間の最大17μmol/Lから、午後11時から始まる睡眠エピソードの直前の3μmol/Lに減少しました。
プラセボと比較して、睡眠効率と総睡眠時間が有意に減少しました。
非REM睡眠中のEEGパワー密度は、0.25-0.5Hzの帯域で抑制され、睡眠スピンドルの周波数範囲(11.25-12.0Hzおよび13.25-14.0Hz)で増強されました。
REM睡眠中のEEGパワー密度は、0.75-4.5Hzおよび5.25-6.0Hzの周波数範囲で抑制されました。
結論
データによれば、唾液中のカフェイン濃度が3μmol/L程度の低さであっても、睡眠傾向に直接影響を与えるか、あるいは覚醒時に中枢神経系内にカフェインが存在することが、覚醒と関連する睡眠傾向の漸進的な増加を減少させる可能性があります。
考察と感想
向に影響を与えることが明らかになりました。特に、低いカフェイン濃度でも睡眠に影響があることが示されています。
私たちコーヒー愛好者にとって、この研究はカフェイン摂取と睡眠の質の間のバランスを見直すきっかけとなります。特に、夜間のカフェイン摂取に注意を払い、睡眠の質を損なわないようにすることが重要です。
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