前回はタバコの消費量の世界的なトレンドについて簡単に解説してきました。
これまでの解説は主に喫煙者の発がんについて説明してきましたが、今回は受動喫煙について解説していこうと思います。
小児に特化した受動喫煙については、以前、ブログに記載しているので、そちらを参照していただければと思います。
受動喫煙と発がん物質について
受動喫煙は二次喫煙と三次喫煙のことをいいます。今回はそれぞれに分けて解説していこうと思います。
二次喫煙について
まずはsecondhand smoke(二次喫煙)について簡単に説明していきましょう。
二次喫煙では、主流煙と副流煙が混ざった状態です。およそですが、主流煙から20%、副流煙から80%のタバコの煙を吸い込むと言われています。
一般に、副流煙は主流煙より発がん物質が多いとされています。
二次喫煙による死亡者は世界で120万人と推定されています。二次喫煙で肺がんのリスクは30%、心疾患のリスクは25%上昇するとも言われています。
二次喫煙による死亡者数の内訳ですが、
- 男性 26%
- 女性 47%
- 小児 28%
とも言われています。
アメリカでの統計になりますが、疾患別に見ると
- 肺がん:7333名
- 心疾患: 33,951名
と推定されています。また、死亡ではありませんが、二次喫煙によって30万人の小児がアメリカで下気道感染症を生じていると考えられています。
また、二次喫煙に関して「ここまでは大丈夫」という安全域は分かっていないのが現象です。
三次喫煙について
三次喫煙は、タバコから発せられた化学物質が、室内の壁やカーペット、家具、衣類などについた状態をいいます。
これらの化学物質を吸い込むことで生じる喫煙のことを三次喫煙と言います。
喫煙でがんはどのくらい生じているのか?
こちらはアメリカのデータのやや古いデータになりますが、喫煙が発がんに及ぼす影響を表しています。
圧倒的に肺がんへの寄与が大きいですが、口腔・咽頭癌や食道癌などにも関連しているのが分かります。
おわりに
今回は受動喫煙と発がんについて簡単に解説してきました。
次回は少しテーマを変えてみようと思います。
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