今回は、リツキシマブを使用した症例症例集積の比較です。
マミー
小児のITPの治療って何がありますか?
Dr.KID
過去のエビデンスをみてみましょう。
参考文献
To the Editor: Chronic immune thrombocytopentic purpura in children: Assessment of Rituximab treatment
ITPはかつて特発性血小板減少性紫斑病 or 免疫性血小板減少性紫斑病、その後、免疫性血小板減少症と呼び名が変わっています。
研究の概要
以前、ご紹介した2つの論文の比較ですね。
Dr.KID
アメリカとドイツの治療レジメン、4回 vs.1回投与の単純比較。
Wang | Taube | |
アメリカ | ドイツ | |
リツキシマブ | 4回投与 | 1回投与 |
N | 24 | 22 |
反応性あり | 19/24 (79%) |
13/22 (59%) |
再発 | 10/19 (52%) |
5/13 (38%) |
寛解の持続期間 (中央値) |
17ヶ月 | 13.5ヶ月 |
中央値以上の割合 | 9/24 (37.5%) |
8/22 (36.4%) |
患者背景 | ||
年齢, 中央値 | 10歳 | 6歳 |
考察と感想
1回投与で寛解に持ち込める人がそれなりにいるようですが、4回投与のほうがやや確実というところでしょうか。
年齢の分布が2つの研究で異なるのは気になりますね。
Dr.KID
著者らもアメリカの研究のほうが高年齢が多く、再発のリスクは高かったかもと言及してました。
まとめ
小児の慢性ITPにおけるリツキシマブを使用した研究の比較をした論文でした。
Dr. KIDの執筆した書籍・Note
医学書:小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
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小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
医学書:小児の抗菌薬のエビデンス
こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。
日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
Noteもやっています
かぜ薬とホームケアのまとめnote
小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote