今回は、小児の慢性ITPにおいて、診断後の経過や治療の推移を報告した国際研究を紹介します。
ITPはかつて特発性血小板減少性紫斑病 or 免疫性血小板減少性紫斑病、その後、免疫性血小板減少症と呼び名が変わっています。
研究の概要
背景・目的
急性および慢性ITPは、伝統的に診断後6か月のカットオフに基づいている決定されてきた。
この国際登録では、小児ITPの診断、定義、治療・管理を追跡し評価した。
本報告は6か月以上持続する血小板減少症の小児に焦点を当てる。
方法
診断時、 6か月後、および12か月後に、 ITPの小児を治療している医師へのアンケートによってデータを収集した。
データは、持続性血小板減少症の小児と診断から7〜12か月の間に血小板数が回復した小児ITPの小児に重点を置き、初期および追跡した特徴に関し比較した。
結果
診断から12か月で、 308名の評価可能な小児のうち79名 (25.6%) がITPから回復し、 229名が進行中のITPであった。
回復したITPの小児は進行中のITPの小児より若く、診断後の最初の6か月間に出血症状の頻度が低かった。
入院頻度、骨髄穿刺、薬物治療は地域により異なっていた。
結論
7〜12か月の間のITPからの高い回復率は、慢性ITPの定義に対する6か月のカットオフ点が、慢性と急性ITPを適切に区別できていないことを示す。
ITPの子供の多くは、血小板数の段階的な改善と出血徴候の消失により、回復までの時間は大きく異なる。
ITPは多様な自然歴と治療反応の多様なパターンを有する不均一な疾患である。
考察と感想
この研究は38か国、136施設において行われたようですね。
治療に関しては、半数程度は無治療経過観察、残りはIVIG +/- ステロイドを適宜使うという方針だったようです。5%くらいの割合でAnti-Dを使用しています。
まとめ
今回は、慢性ITPにおいて6〜12ヶ月の経過をみた国際的な研究です。
1/4くらいは慢性ITPの基準を満たしても、半年以内に軽快していたようです。
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