COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関して、成人のデータはかなり出てきているのですが、小児の報告は非常に限られています。
とはいえ、2月の中旬から徐々に出てきており、1つずつ報告していければと思います。
今回は、中国の深圳市で入院となった15症例の症例集積データを解説していきます。
おそらく、昨日ブログ記事にした病院の小児のデータの一部と思います:
- 中国の深圳市のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)小児15症例
- 症状が軽微でも、CTで所見を認めるケースがある
- PCRの陰性化と、CTの改善は、ある程度相関するのかもしれない
K Feng, et al. [Analysis of CT Features of 15 Children With 2019 Novel Coronavirus Infection] Er Ke Za Zhi , 58 (0), E007
研究の概要
今回は中国の深圳市(Shenzhen city)で、2020年1月16日〜2月6日にかけて入院した小児のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)15症例の経過の一部と、CT所見を解説しています。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の診断は、PCRをもとに確定されたようです。
小児の特徴として、
- 男女比 = 5 : 10
- 4〜14歳
であったようです。
症状は?
症状に関しては、発熱の有無だけ記載されていました。
割合(%) | |
発熱あり | 5/15 (33%) |
無症状 | 10/15 (67%) |
CT所見は?
発熱があったのは15名中5名だけのようですが、CTを撮影すると、すでに異常所見が認められていたようです。
内訳は以下の通りです:
CT | 症例数 |
所見なし | 6 |
所見あり | 2:浸潤影 7:すりガラス陰影 |
その後の経過は?
その後の病院での経過も記されています。
治療を受け(おそらく抗ウイルス薬と思います)、6人はPCRが陰性になったようです。PCRが陰性化した方のCTの再検査は以下の通りです:
人数 | |
所見なし | 3 |
改善 | 2 |
不変 | 1 |
治療後もPCRの陽性が続いた小児のCTの再検査結果は以下の通りでした:
人数 | |
不変 | 6 |
新たな所見 | 3 |
まとめると…
以上の情報を、1枚のスライドにまとめてみます。
感想と考察
おそらく、昨日公開したデータの一部の報告と思います。このデータによると、全員、無事に退院はできているようです。
症状がなくてもCTで早期から異常所見を認めているのが特徴的なようです。また、PCRの陰性化も、ある程度は相関しそうな印象もあります。
ただ、1人1人の個別のデータまでわからないので、続報を待つことにしようと思います。
まとめ
中国の深圳市(Shenzhen city)で、2020年1月16日〜2月6日にかけて入院した小児のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)15症例の経過の一部と、CT所見を解説しています。
CT所見は早期から認めるケースがあり、PCRの陰性化と相関するかもしれません。もう少し大きなデータ、個人レベルで追跡したデータが欲しいところです。
- 中国の深圳市のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)小児15症例
- 症状が軽微でも、CTで所見を認めるケースがある
- PCRの陰性化と、CTの改善は、ある程度相関するのかもしれない