今日は、文献を2つ目を通して、以下の点をアップデートしました。
1つ目はBMJから報告された症例集積研究です。62人が報告されていますが、小児はこのうち2名だったようです。特に重症化はなかったようです。
もう1つは、JAMAの報告です。こちらは13名の症例集積ですが、小児2名が報告されています。
- 中国と日本の感染者数の推移
- 中国で62名の症例集積
- 中国で13名の症例集積
中国と日本の感染者数の推移
中国と日本の感染者数の推移は以下の通りです (2/24時点)
- 世界:79,335人
- 中国:77,150人
- 日本:143人
中国の累積感染者数の推移
中国では、もうすぐ8万人に差しかかろうとしていますが、徐々に新規感染者は鈍化してきて、頭打ちになってきている印象です。とはいえ、かなりの方が感染している現状です。
図のY軸のスケールを対数化させたグラフが右側です。感染者数の増加速度は、徐々に鈍化してきている印象です。
日本の累積感染者の推移
日本の患者数の推移は以下の通りです:
この図を見てしまうと、まだまだ上昇トレンドにありそうで、勢いは増してきている印象で、これから急速に増えてくるかもしれません。
右の図は、Y軸を対数化しています。累積数が100人を超え、上昇トレンドになるのが分かります。
韓国で感染者数が700人を超えたという報告も出ているようです。シンガポールは80人、イタリアが150人を超えています。
また、アメリカなどを含め、渡航制限が今後どうなるかも注目しています。
小児・成人の62例の症例集積
BMJから発表された、感染者62例の症例集積の論文に目を通しました。
この中で、10-11歳の小児が2例いたようです。二人とも、感染者に曝露してから、10日以内に症状が出ていたようです。詳細は不明ですが、少なくとも重症化はしていなかったようです。
概要
こちらの症例集積でが、1/10から1/26の期間の患者データを集めて、症状や経過の特徴、血液検査の結果を示しています。
症状
これはすでにツイッター上でも話題になっていますので、説明は軽めにしようと思います。
症状 | 人数 | % |
熱 | 50 | 81% |
咳 | 48 | 77% |
痰 | 35 | 56% |
頭痛 | 21 | 34% |
筋肉痛 倦怠感 |
32 | 52% |
下痢 | 3 | 8% |
血痰 | 2 | 3% |
呼吸苦 | 2 | 3% |
集中治療室に入室したのは1名、死亡例は0のようです。
期間
期間 | |
曝露→症状 | 4日 (3〜5) |
症状→入院 | 2日 (1〜4) |
感染者への曝露から症状は中央値で4日、症状から入院では2日でした。
成人・小児の13例の症例集積
こちらは、JAMAから報告された症例集積研究の結果になります。
北京の3病院において、入院となった症例集積が報告されています。
13例の報告の中、2名が小児だったようです。年齢は2歳と15歳のようです。
2歳の小児に関しては、中等度の間歇的な熱が1週間、咳が2週間弱あり、その後に新型コロナウイルス(COVID-19感染症)と診断されたようです。
概要
こちらの論文でも、先述のBMJと同じく、症状の割合を提示しています。
症状 | ||
発熱 | 12 | 92.3% |
咳 | 6 | 46.2% |
鼻汁 | 1 | 7.7% |
筋肉痛 | 3 | 23.1% |
下痢 | 1 | 7.7% |
鼻閉 | 8 | 61.5% |
頭痛 | 3 | 23.1% |
Nは少なめですが、発熱、咳、鼻閉といった風邪症状がメインのようです。
この13人では重症例はいなかったようです。
感想と考察
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、まだ情報が足りていない印象です。
現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 中国での62例の成人・小児の症例集積
- 中国での13例の成人・小児の症例集積
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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