今日は、Lancet Infectious Diseaseに掲載されている、家族内での感染の症例集積研究です。
- 中国と日本の感染者数の推移
- 家族内での症例集積
中国と日本の感染者数の推移
中国と日本の感染者数の推移は以下の通りです (2/25時点)
- 世界:80,961人
- 中国:78,064人
- 日本:172人
大半が中国で占められていますが、世界全体では8万人が報告されていますね。
中国の累積感染者数の推移
中国では、もうすぐ8万人に差しかかろうとしていますが、徐々に新規感染者は鈍化してきて、頭打ちになってきている印象です。ここのところは、8万弱がずっと推移していますね。
図のY軸のスケールを対数化させたグラフが右側です。感染者数の増加速度は、徐々に鈍化してきている印象です。
日本の累積感染者の推移
日本の患者数の推移は以下の通りです:
この図を見てしまうと、まだまだ上昇トレンドにありそうで、勢いは増してきている印象で、これから急速に増えてくるかもしれません。
右の図は、Y軸を対数化しています。累積数が100人を超え、上昇トレンドになるのが分かります。
韓国で感染者数が1,146人を超えたという報告も出ているようです。シンガポールは90人、イタリアが300人を超えています。
また、アメリカなどを含め、渡航制限が今後どうなるかも注目しています。現在はアメリカは日本に対してレベル2「高齢者や慢性疾患のある人は、不要な渡航を控え、延期するよう推奨」の設定のようです。
韓国に対しては、さらにレベル3に引き上げられています。
家族内での集団感染
Lancet Infectious diseaseから発表された家族内での集団感染です。
概要
これまでも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の家族内の集団感染は複数報告されていますが、今回は、三人中一人だけ症状があり、後の二人は全く症状はないものの、PCR陽性という結果が出ている点がユニークだったようです。
三人家族で、父・母・長男の構成で、武漢への旅行歴があったようです。
35歳の父が、微熱、咽頭痛、筋肉痛で病院に受診したところ、PCRでCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症)と診断されたようです。
CTでは特徴的な所見があり、血液検査はリンパ球減少が認められています。
一緒に過ごしていた家族である、母と長男は無症状で、血液検査、CTを撮影しますが、どちらも異常はなかったようです。しかし、PCR検査をしたところ、新型コロナウイルス(2019-nCoV)が陽性だったようです。
感想と考察
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、まだ情報が足りていない印象です。
現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 中国での家族内の症例集積
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
当ブログの注意点について