こちらの研究は、イタリアの小児における新型コロナウイルスの疫学的および臨床的特徴を記述しています。
成人と比較して小児の新型コロナウイルスの頻度は低く、しばしば重症度も低い傾向にあります。その一方で、小児における重症化の危険因子に関するデータは限られています。
この研究では、イタリアにおける新型コロナウイルス感染症の小児において、成人および高齢患者と比較しています。
基礎疾患および低年齢は、小児における重症化の危険因子と示唆されています。
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イタリアにおいて、小児の新型コロナウイルス感染に関して行われた大規模な調
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重症化のリスクは2%前後、致死率は0.1%
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基礎疾患あり and/or 1歳未満だとリスクが上昇する傾向にあったようです。
Pediatricsからの報告です
研究の概要
背景・目的:
イタリアにおける18歳未満の新型コロナウイルスの疫学的と臨床的特徴を記述すること。
方法
全国症例に基づくサーベイランスシステムを利用して、2020年5月8日までに確認された新型コロナウイルス感染症例のデータを分析した。
対象者を年齢群(0-1年、2-6年、7-12年、13-18年)に分けて、人口統計学的および臨床的特徴により要約し、重症化の危険因子をマルチレベルで多変量ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。
さらに、小児、成人および高齢者間の比較を行った
結果:
小児 (N = 3,836) は全感染 (N = 216,305) の1.8%を占めた。
小児の感染例のおいて、年齢中央値は11歳、であり51.4%は男性だった。
13.3%は入院し、 5.4%は基礎疾患を有していた。
疾患は症例の32.4%で軽度であり、 4.3%で重度であった。
特に6歳以下の小児 (10.8%) で重度化しやすい傾向にあった。
入院患者511人中、 3.5%が集中治療室 (ICU) に入院し、 4人が死亡した。
重症化のリスク低下は、年齢の増加と関係した。一方で、リスク上昇は、基礎疾患と関係した(OR=2.80, 95% CI 1.74-4.48)。
入院率、 ICU入院、疾患重症度、症状発現から回復までの日数は、小児、成人、高齢者で年齢とともに増加傾向であった。
結論
これらのデータは、新型コロナウイルスの小児症例は成人よりも重症度が低いことを示唆している。
しかし、年齢が1歳以下、基礎疾患がある場合は、重症化のリスクが上昇するかもしれない。
小児において新型コロナウイルス感染に対する理解を深めることは、病因、実臨床および公衆衛生の政策に重要な考察となるでしょう。
感想と考察
本文を読んでいくと、家族内感染が多かった旨が記載されていました。ただ、詳細なデータはないです。
年齢別の感染者の内訳は、
- 13-17歳:40.1%
- 7-12歳: 28.9%
- 2-6歳:17.2%
- 0-1歳:13.8%
のようでした。
1歳未満、少なくとも1つの基礎疾患があると重症化のリスクが高まるようです。基礎疾患の定義がとても曖昧で、私としてはあまり腑に落ちなかったです。
細かい点ですが、この著者らはlogistic regressionで、referenceを0-1歳にしていますが、私なら13-17歳をreferenceにすると思います。理由としては、この年齢層のNが大きい、健常な若い成人に近く、リスクが低そうなグループで、dose-response relationshipもみやすいからです。
死亡例は0-1歳で2例、2-6歳で2例の合計4例のようです。3836人のうち4名ですので、致死率は0.1% [95%CI, 0.03%〜0.27%]となります。
まとめ
イタリアにおいて、小児の新型コロナウイルス感染に関して行われた大規模な調査です。
重症化のリスクは2%前後で、基礎疾患あり and/or 1歳未満だとリスクが上昇する傾向にあったようです。
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