今回は、新型コロナウイルスに感染した妊婦の症例報告を見つけたので、そちらを紹介させていただきます。
- 妊娠35週で新型コロナウイルスに感染
- 帝王切開で出生
- 新生児は新型コロナウイルスへの感染はしなかった
- 羊水、胎盤、母乳などにもウイルスの排泄なし
Li Y, et al. Lack of Vertical Transmission of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2, China.Emerg Infect Dis. 2020;26
感染者の推移 (3/9):
- 世界:108,858人
- 中国:80,735人
- 日本:493人
- 韓国:7313人
- イタリア:7375人
- イラン:6566人
イタリアとイランがすごい勢いで増えていいます。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツ・フランスが1000名前後に増加しています。
新型コロナウイルスに感染した妊婦
妊娠中にコロナウイルスに感染した妊婦の症例はいくつかありましたが、新しいものを発見したので、そちらを簡単にまとめようと思います。
概要
妊娠35週の30歳女性が、2日間の乾いた咳で受診したようです。発熱、悪寒、呼吸困難はなかったようです。武漢のある湖北省への旅行歴があり、さらに夫が新型コロナウイルスに感染が判明したようです。
胸部レントゲンでは、両側性に多発する斑状陰影を認めたようです。抗ウイルス薬(Lopinavir/Ritonavir)とステロイドを投与して経過し、翌日に咳は改善したようです。
入院3日目、胎児の心拍数が低下したため、緊急で帝王切開をしています。特に合併症なく出生しています。
新生児の咽頭、血液、便、尿から新型コロナウイルスが検出されることはなかったようです。
また、母の胎盤、血液、便、羊水、臍帯血、母乳からも新型コロナウイルスは検出されていないようです。
感想と考察
これまでも、妊娠中の新型コロナウイルス感染を認めた症例は複数認められていますが、いまのところ、垂直感染を来たした症例はなさそうです。
母乳へのウイルスの排泄も懸念されていますが、私の調べた限りでは、母乳へのウイルス排泄を認めた症例もありません。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 新型コロナウイルスに感染した妊婦と新生児の報告のまとめ
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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