今回は、新型コロナウイルスに感染した10歳乳児の症例報告を紹介させていただきます。
- 10歳男児、COVID-19感染者に濃厚接触歴あり
- 無症状であるも、咽頭、便のPCRでウイルスを検出
- ウイルスはしばらく検出されたよう
感染者の推移 (3/13):
- 世界:131,631人
- 中国:80,813人
- 日本:682人
- 韓国:7979人
- イタリア:15,113人
- イラン:10,075人
イタリアとイランがすごい勢いで増えていいます。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツ・フランスが2000名前後に増加しています。
アメリカも患者数が徐々に増えてきています。
新型コロナウイルスが検出されるも無症状だった小児
新しい小児の症例報告を発見したので、簡単にまとめようと思います。
概要
今回は、新型コロナウイルスに感染するも、無症状であった10歳男児の症例の紹介です。
1月中旬に、後に新型コロナウイルス感染症が判明した方複数名と濃厚接触歴があったようです。しかし、特に本人は症状なかったものの、検査をしたところ陽性と出たようです。
日付 | 経過 |
1/9-15 | 陽性者に濃厚接触 |
1/12-15 | 陽性者に濃厚接触 |
1/30 | 受診 |
2/1 | 便でPCR陽性 入院 |
2/2 | 便でPCR陽性 CTは異常なし |
2/4 | 便でPCR陽性 |
2/5 | Abidol hydrochloride 開始 |
2/7〜9 | 便でPCR陽性 |
2/12, 14 | PCR陰性 |
特に症状はないものの、咽頭PCRは陰性になったが、便のPCRからウイルスがしばらく検出されていたようです。
こちらが論文に掲載されていた経過表です。
感想と考察
少し考えさせられる症例報告でした。
そもそもこの小児は無症状で、なぜ検査をしたのだろうかという点です。「流行していたから」「保護者が心配していたから」という理由かもしれませんが、無症状の小児に検査をしても検出されるわけです。
そして、この小児は少なくとも2週間に渡り病院で隔離され、無症状にも関わらずCTで被曝させ、さらに抗ウイルス薬まで使用されています。もちろん、家族内での感染例を防ぐ、ウイルスの排泄期間を減らすなどの効果を狙っていたのかもしれませんが…。同様の症例で、今回のような同じことをすると、医療のリソースはあっという間になくなってしまうと思いますし、このような対処に医療的にどこまで意義があるのか、やや疑問でした。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 10歳小児の症例
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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